ヒトメボ

恋愛カウンセリングサロンホールハート代表

高橋賢一

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読了時間:約4分

 誰かから「あいつ、お前に気があるらしいよ」と言われたり、ある日突然夢に出てきたり…ふとしたことがきっかけで、今までなんとも思っていなかった人が「気になる人」に変わるときってありますよね? これがいわゆる、「好き」の手前の「気になる」という状態。「あれ、なんか私、意識しちゃってる…!? 」と、内心動揺してしまった経験がある人も少なくないと思います。

 そこで今回は、こうした「なんでもなかった人が気になってしまった」エピソードをご紹介。みんなは一体、どんな瞬間に「気になる」モードが発動するの?

「東京の専門学校で出会った10歳上の男性教師が、偶然同じ故郷の町内出身だったことを知ったとき。親近感を覚えて、気づいたら相手のことを考える時間が増えていきました」(24歳女性・北海道)

「飲み会の席で、今まで全然意識していなかった相手から『〇〇さんの髪型、どストライクなんだよね』と言われたのをきっかけに。ものすごく照れてしまい、それから何となく相手が気になりだしました」(30歳女性・新潟県)

「風のウワサで、ある女の子が自分のことを好きだというのを知ったとき。それまでノーマークだったのに、いつしかその子のことを目で追ってしまう自分がいた」(17歳男性・熊本県)

「普通の友達だった子に、ある日『なんか、私達って初対面のときから初めて会った気がしなかったよね? 』と言われ、それ以降急に気になりだしました。そんな風に感じてくれていたなんて1ミリも思っていなかったから、びっくりしたのを覚えています」(22歳男性・東京都)

「仲の良い女友達が、ある男の子のことを好きだと知って。なぜか分からないけれど、『2人が付き合うことになったら…』と想像し、直感的にイヤだと感じたのかもしれません」(24歳女性・青森県)

 甘酸っぱいような歯痒いような…。どれも、これから始まる恋を予感させるエピソードですね。ところで、こうした「気になる」状態から「好き」へと気持ちが移行するまでには、どんな心理的変化があるのでしょう? 心理カウンセラーの高橋賢一さん、教えてください!

「『気になる』と『好き』の境界線は、相手を異性として見た瞬間に生まれる『心の距離感』が鍵を握っています。これは分かりやすく言うと、自分の心の中にある『好き度メーター』のようなもの。好き度メーターは、上記のエピソードのような体験をきっかけに、今まで意識していなかった人に対し突然ポンと設置されます。そして、このメーターは相手のことをもっと知りたいと感じたときに、数値がプラスされていきます。これを繰り返し、何%というある一定のラインを超えたとき、気持ちが『気になる』から『好き』に変わるのです」(高橋さん)

 高橋さんいわく、「好き」に変わるときのパーセンテージは人によって様々。つまりある人は100%のメーター中20%でも満たされれば好きになり、またある人は80%まで達してようやく好きになるというわけ。そしてこの数値は、1%でも設定ラインに満たないとずっと「気になる」状態のまま平行線を辿るのだそう! 好きの境界線って、こういうことだったんですね。

「ちなみに、心理学では『返報性の原理』といい、自分に向けられた感情を相手にも返したくなるという人間の本能があります。『好きって言われると自分も好きになる』とは、まさにこの状態のこと。少し策略的ではありますが、例えば好きな異性に自分のことを意識してもらうために、友人を使って自分が相手を好きだというウワサを流してもらうことも場合によっては有効です。ただし、あくまで『好き度メーター』を相手の中に設置するきっかけにすぎないので、そこから先は努力が必要ですよ。

 また、告白の効果は絶大。ウワサで耳にするよりも、直接『好きです』と言われることの方がはるかにパワーを発揮します。ただし、『好きです、付き合って下さい』と口にするのは避けたほうがベター。人間は何かを強要されるとマイナスの方に感情が働く傾向があるので、『付き合って』とお願いするのではなく、『好きです』とだけ伝えるのが好ましいです。あとは、徐々に相手の好き度メーターが蓄積されるのを待ちましょう」(同)

 恋愛なのかそうでないのか、ハッキリしない「気になる」状態。好きの境界線を超えるかどうかは、時間をかけて観察していく必要がありそうですね!

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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