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2015.08.23
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「人見知り」の人にとって特に苦手なのが、“初対面”や“集団”との会話。何とかして「人見知りを克服したい」と考えている人も多いのではないでしょうか。そこで、神戸メンタルサービスの心理カウンセラー・池尾昌紀さんに「人見知りの克服法」を取材。なるべく短期的に取り組める対策を教えてもらいました。
まず人見知りの人には、「自分がどう見られているか、嫌われていないかを考えすぎてしまう傾向がある」と池尾さんは指摘します。つまり、周りの反応とは別に、気にし過ぎてしまう自意識過剰の状態であることが多く、この意識を変えることが「人見知りを治すことにつながる」とのこと。
そこで池尾さんが、3つの方法を教えてくれました。
「人は、周りを常に気にしているわけではありません。周りが気になるのは、自分の意識なんですね。ですから、いつも『自分が思っているほど、他人は自分にあまり興味を持っていない』と言い聞かせていきます。この意識で周囲を見られるようになると、「実際は、そんなに人から見られているわけではないんだ」と実感できるようになっていきます。ですから集団に入ったら、この言葉を自分に言い聞かせるようにしてみてください」(池尾さん)
基本的な方法ですが、効果はあるとのこと。ただし、なかなか「周りが自分を気にしていない」と手放しに思えない人もいるはず。その場合は、「結婚式で盛り上がっている時にスピーチをするところを想像してください。たとえ、スピーチをする人が冷や汗を流すほど焦っていても、それをきちんと聞いている人はわずか。他人が気にしていなくても、自分が自分に意識を向けていると、恥ずかしさや人の目が気になってしまうのです」と池尾さんはいいます。
「周りの視線を気にし過ぎるのは、『自分に自信がない』という心理につながっています。この場合、自分を責めることがクセになっているので、自分を人前から隠そうとしがち。それをなくすために“おまじない”を用意します。たとえば、恥ずかしくなったり、人の目が怖くなったり、自信がなくなった時には『私は悪くない』と言ってみる。心から思っていなくても構いません。おまじないなので、口先だけでも何度も自分の心に言い聞かせてあげてください。そのことで、『自分はダメ』という感覚が減って、人の視線が気にならなくなっていきます」(同)
こちらも非常にシンプルですが、とにかく「口に出すこと」が重要なよう。「『私は悪くない』と口に出し続けることで、自然と中身の意識が変わってきます」(池尾さん)とのことです。
「『自分はダメ』という意識を減らすもう一つの方法は、自分を誉めること。自分へのダメだしをしやすい人は、実は自分に厳しすぎるのです。そのために、毎日『1行日記』をつけていきましょう。その1行は、今日の自分を誉める1行。しかも内容は『遅刻せず会社に行けた』『朝キチンと起きれた』くらいの低いハードルでいいんです。誉め慣れることで自己肯定感がアップし、『自分はダメだ』が減って、相手の視線を恐れなくなってきます」(同)
こちらの方法はやり続けることが大切。とはいえ、1行ならそれほど難しくはなさそう。内容以上に「自分を誉める機会を作る」ことがポイントといえそうです。
「これらができたら、次は人通りの多い場所に出かけていき、しばらく立ってみるなど、あえて人のたくさんいるところに身を置いてみてください。そこで周りの人をじっくり見ると、チラッと他人に見られるうちに人の視線を受ける練習が出来ます。また、自分を無視する人もたくさんいますから、『他人はそれほど自分に関心がない』ことにも気付けます」(同)
最初は知っている人がほぼいない街中などでチャレンジし、徐々に自分の知っている人がいる場所(たとえば大学生なら食堂など)に移っていくのがいいとのことです。
人見知りは決して悪いことではありませんが、それにより素敵な出会いを逃している可能性も否定できません。まずは出来るところから、無理せず人見知りの克服に取り組んでみるのもよいのではないでしょうか。
(有井太郎+プレスラボ)初出 2014/8/23
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