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2015.08.30
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似たもの夫婦という言葉があったり、初対面でも似ているところや共通点が見つかったとたん、急に親しみが湧いたり好感を持つことがありますよね。それはどうしてなのでしょうか? 年間800件前後のカウンセリングを手がける、実践派心理カウンセラーの近藤あきとしさんに伺いました。
「私たちは自分と似ている人や同じ要素を持っている人、同じ環境にいる人に親近感や安心感を覚えます。これを心理学では『類似性の法則』と言います。不慣れな状況や環境、相手との関係性が浅い段階で特に大きく作用するものなので、研修や合コンなどで緊張しながら話をしていた相手との共通点を知り、急に打ち解けた経験を持つ人も多いのではないでしょうか。不安がある状況では安心感を得たいと感じるので、自分と似た人や同じような人に出会うと、ホッとして心を開きやすくなるのです」(近藤さん)
なるほど、お互いの共通点を知ることで安心でき心の距離が縮まるのですね。では同じだと特に親近感を抱きやすいというものはありますか?
「はい、あります。私が恋愛カウンセリングを行ってきたなかで、恋人との出会いのきっかけや仲良くなった理由などから、ベスト5を紹介しましょう」(同)
「音楽の趣味や嗜好が同じだと、相手に自分の思い入れを理解してもらったと思えるので、非常に強い親密さを感じます。話題も豊富に出てくるので、相手と長くディープな話ができるでしょう。限定されたテーマでは他の人たちが話に入りづらく、2人きりまたは少人数での話になるため、より親近感を感じやすいと言えます。またCDの貸し借りをしたり、ライブに行くなど、一緒に楽しめる度合いも高いのでお互いの距離を縮めやすいですね」(同)
「レジャーは海派か山派か、住むなら都会か田舎か、デートはまったり過ごすかアクティブに遊ぶかなど、よりパーソナルな話になるので、相手のプライベートに近づける話題になるでしょう。一緒にいるところをイメージしやすいので、もしつき合ったら…、結婚したら…、という想像をしやすいのかもしれません」(同)
「食べ物は好き嫌いがハッキリ出るので、「タイ料理にハマってる!」とか「スイーツが大好き!」など、好みが同じであれば共感しやすく、「今度、一緒に食べに行こうよ」と、相手を気軽に誘うことができ、関係が発展しやすい話題です。誰でもおいしいものには魅かれますし、同じものを食べて喜びを共有できると、一緒にいる時間と空間をいっそう楽しく感じられるので、相手との親密度も高まりやすいでしょう」(同)
「同じ物語を見て、笑える場面、感動する場面など、感情移入するポイントが相手と同じだと嬉しくなりますよね。相手と共感する部分が同じという、感覚的な類似性は特に親近感を感じやすいといえます。感情の動くツボが同じだと、その気持ちを分かち合えるので、それだけ相手を近くに感じられます。同時に安心感も抱くので、相手に対して感情を表現しやすく、自然ともっと一緒にいたいと思うようになるのです」(同)
「同じ環境に居る(居た)というのは身近な生活ベースを共有している感覚になるので、親近感を感じやすいと言えます。特に『地元トーク』や『出身校あるある』のような、そこにいた人だけが共感できる話題になれば、その場の人と一気に打ち解けることができるでしょう。また最寄駅が同じだと、ランチやショッピングの話題を切り出しやすく、その後の付き合いにつなげやすくなるでしょう」(同)
類似性の法則を活用すれば、会話がはずむだけでなく、気になる人との今後の関係にも期待ができますね。
「そうですね。似ているということはお互いを理解しやすいという気持ちを生みます。また、一緒に楽しめるものがあると、人はより親密さを感じるものです。仲良くなりたい人がいる場合は、あらかじめ相手の趣味などを知り、『私も同じものが好きなんです』と伝えることで、相手を安心させて自然に心の距離を縮めることができますよ」(同)
恋の始まりは、まず人に出会うこと。そしてお互いを知ることですよね。類似性を意識して恋のチャンスを引き寄せたいものです。
(鳴沢ことみ/コンセプト21)初出 2013/9/9
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