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2015.09.20
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他人を妬んだり、羨んだり、そんな感情を持つ自分を嫌だなとは思うけれど、恋愛や仕事、家庭など、様々なシーンで湧き上がる嫉妬心。人はどうして嫉妬するのか? 嫉妬心を抑える方法はあるのか? 嫉妬のメカニズムについて恋愛心理カウンセラーの高井さゆさんに伺いました。
「嫉妬とは、相手にあって、自分にはないという思い込みです。実は自分も同じものを持っていることに気づいていないのです。もし、あなたが明るくて話上手な人を羨ましく思うなら、あなたにも『明るい』、『話上手』という要素がある。でも自分ではないと思っている。その矛盾がもやもやとした心苦しさを生んだり、人によっては相手に攻撃的になったり、自分を卑下して落ち込んだりするのです」(高井さん・以下同)
自分とは違うタイプの相手だから嫉妬するのだと思っていましたが、相手と自分は同じものを持っているのですね!?
「心理学的にはこれを『投影』や『鏡の法則』と呼びます。自分にあるものが、自分が見る人や物に反映される。つまり性格や能力、容姿など自分が持っていないものを相手に見て引っ掛かりを感じることはないのです」(同)
なるほど、嫉妬の対象に見ているものは、自分では気づいていない自分自身なのですね。では、嫉妬をすることで自分を知ることにもつながりそうですね。
「そうです。嫉妬と言うと、悪いイメージですが、誰にでも起こり得る感情であり、『相手のその魅力が見えているのなら、あなたもそれをすぐ手に入れることができるよ』という無意識からのサインとも言えます。それに気づいて自分を信じることが大事です」(同)
でも、もやもやとした嫉妬の感情はあまり気分のいいものではないですよね。できれば抑えたい。嫉妬とうまく付き合う方法はあるのでしょうか?
「嫉妬を抑えようとするのは逆効果です。芽生えてしまっている気持ちを無理に抑えようとすると、余計に心のもやもやが大きくなり、いつか爆発してしまいます。ですから、自分の中の嫉妬心に気づいたときは『私、あの人に嫉妬しているんだ』と自分で自分に言って、嫉妬していること自体を認めてしまいましょう。すると、気持ちが楽になり、思考もシンプルになって『羨ましいと思うことは私もそうなりたいんだ。ではどうするか?』と具体的な行動が取りやすくなります」(同)
では、気になる彼が、仕事ができるA子とよく一緒に行動をしていて、嫉妬してしまうときは「A子が羨ましい。私も彼に認められるように、仕事で役立つ資格を取るぞ」と頑張ればいいのですね。
「ちょっと待ってください。嫉妬を向上心につなげるのは良いことですが、好きな人を振り向かせたいと思っての行動の場合、それが、本当に彼にとっての魅力的なものなのかを調べたほうがいいですね。例えば、彼が元気の良いアイドルをかわいいと言っても、職場の有能な女性を褒めたとしても、単にそれは彼にとっての憧れであり、実際に彼女として一緒にいたいのは素朴でのんびりした人ということがあります。好きな人のために頑張っているのに、違う方向に行ってしまう人がよくいるので気をつけたいですね」(同)
嫉妬から生まれるパワーを目標の方向に正しくむけることも大事なのですね。
「はい、嫉妬心が沸き上がったら、自分の魅力をアップさせるチャンスがきたぞと思って、自分はどうなりたいのかをしっかりイメージすることです。そして必要な情報収集をしたり、羨ましいと思う相手の思考や行動をまねたりしながら、自分オリジナルの魅力を創っていきましょう」(同)
いかがでしたか? 嫉妬心をうまく利用して自分を高めていけるといいですね。
(鳴沢ことみ/コンセプト21)初出 2013/5/18
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