ヒトメボ

心理カウンセラー

みずがきひろみ

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読了時間:約4分

 みなさんは親孝行と聞くと、どんなことが思い浮かびますか? 小学生の頃は「肩たたき券」を作って渡したりしたものですが、大人になった今、親にしてあげたいことって何ですか?

「親孝行と聞いてぱっと浮かぶものは、子どもが親に不足していると感じているもの。これまでの親子関係をふまえて、『子どもの頃に親がこんな苦労をしていたから、今の自分が補ってあげよう』とか『親はこれを自分に期待しているに違いない』と思っていることが、その人の抱く親孝行のイメージにつながることが多いですね」と、心理カウンセラーのみずがきひろみさん。

 なるほど。実は親が何を望んでいるのかって、子どもは意外と知らないかもしれません。それよりも、自分が「親はこう望んでいるに違いない」と感じたことを思い浮かべているということですね。

「はい。それだけに、どんな親孝行をしたいかには、その人が抱いている親や家族に対するコンプレックスが反映されている場合が多いんですよ」(みずがきさん・以下同)

 では、具体的な診断をお願いします!

【A:旅行に連れて行く】

「旅行が浮かんだ人は、好奇心旺盛なタイプ。知らないところに出かけて、新しいものを見たり、味わったりするのが大好きです。自分の親にも、そんな心躍る体験をしてほしいと思っているんですね。このタイプの中には、自分が育った環境をちょっと窮屈に感じていた人もいるでしょう。大人になって自由に好奇心のまま自分の世界を広げることができるようになって、『親も日常から解き放ってあげたい』と思うのも、ちょっぴり自分だけ自由になった後ろめたさがあるからかもしれません。でも、実際は親とは求める『楽しさ』が違っていただけで、親のほうは平凡な毎日の安心の中にこそ『楽しさ』を見出していたのかもしれません」

【B:家を建てる】

「家を建ててあげたいと考える人は、自分が家族を守るのだという騎士(ナイト)か救世主のようなマインドを持ったタイプです。子どもの頃に親が苦労していたのをよく覚えていて、大人になった自分が経済的に援助しようという気持ちが強いのでしょう。このタイプの人は、誰よりも親孝行したい気持ちがある一方、親(特に甲斐性が足りなかった父親)に対する残念感を持っている場合も。そのため、社会的・経済的な成功にこだわりがちで自分に過大なプレッシャーをかけていることもありますね。物質的に親を助けることも孝行ですが、家族の幸せはそれだけではありません。物に代わる親孝行のスタイルもあるのかもしれませんよ」

【C:結婚して孫を見せる】

「子どもを作ることが何よりの親孝行と考える人は、家族のつながりを大切に考えるタイプ。未来へ命をつなげていくことは、人類として自然なことであり大切なこと。とても幸せな考えだと思います。ただ『親に孫の顔を見せなくては』という気持ちが強すぎる場合はちょっと心配。子どもの頃、親が過干渉ぎみだったりすると、心のどこかで親に対して『大人になってしまってごめんなさい』という思いから、大人になった自分の代わりに自分の子どもを捧げて期待にこたえなくてはと感じてしまっていることもあります。家族や親はもちろん大切ですが、その人個人の幸せも大切です。自分自身の幸せをもっと考えてみてもいいのかもしれません」

【D:プレゼントする】

「何かをプレゼントしようと考える人は、コミュニケーション上手なタイプ。みなさんの周りにも、自分の気持ちをプレゼントに託して、スマートに表現するのが上手な人っていますよね。しかしながら、何かにつけ『プレゼントを渡さなくては』と思い込んでしまう場合は考えもの。自分自身への評価が低く、感謝の言葉や行動だけでは親から受けた愛情に対して不足ではないかと心配になって、モノに頼る傾向はありませんか。本当は、『プレゼントを贈りたい』というあなたの気持ちにこそ価値があるのですから、もっと自信を持っていいと思いますよ」

 いかがですか? 自分のコンプレックスがこんな形で表れるとは意外でした。コンプレックスに囚われすぎることなく、いい親孝行をしていきたいですね。

(せんち/クレッシェント)
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