ヒトメボ

作家・恋愛カウンセラー・カラーセラピスト

安藤房子

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読了時間:約4分

 誰でも告白されるのは嬉しいことですが、「正直、付き合うのはゴメンナサイ…」というケースもあるもの。特に、会社の同僚や仲のいい友人から告白された場合、振り方に気をつけないとその後の関係が気まずいことになる可能性も…。今後も顔を合わせる相手を振るって、実はかなり難しいことですよね。

 そこで今回は、恋愛カウンセラーの安藤房子さんに「振り方」の作法についてお聞きしました。安藤さん、そもそも上手な振り方なんてあるのでしょうか?

「正直なところ、振られて傷つかない人などいません。ですが、最もやってはいけない振り方というのがあります。それは、『曖昧な態度をとる』こと。返事を先延ばしにして期待させたままにする、ハッキリと断らないまま相手の気持ちが冷めるのを待って、自然消滅に持ち込もうとする…こうした振り方が、相手を一番傷つけるんです。人間は何事も自分に都合のいいように解釈してしまう生き物です。例えば、好きな相手に3回メールして3回とも返事が返ってくるより、3回中1回だけでも返ってきた方が、より期待してしまうし、好きな気持ちに火がついてしまうのです。心理用語ではこれを『気持ちの強化』といい、つまり少しでも可能性がある素振りを見せられると「もしかしたら…! 」と勘違いしてしまうのです。たまに電話に出たり会ってあげたりしていると、余計に諦めきれなくさせてしまい、結果的に相手をより傷つけてしまうのです」(安藤さん)

 う~ん…確かに、こうした振り方はズルい気がします! わずかな可能性に一喜一憂しながら、結局何年もの歳月を片想いに費やしたなんてことも、よくある話です(悲)。

「もちろん振る方も辛いとは思いますが、ここは『曖昧な態度は罪』だと肝に銘じて、悪い人になることですね。振られた方は、なぜ振られるのか理由が分かれば少しはスッキリしますよね? ですから、振るなら相手に直接、理由をハッキリと告げることが大切。気まずいからといってメールで振るのではなく、直接会って、表情や声のトーンからも相手に気のないことを伝えるようにしましょう。振るときのセリフも、『君のためを思って今は付き合えない』『仕事が忙しくて、いま彼女は作らないんだ』『あなたにはもっといい人がいるはず』…などと、いい人を装ってはいけません。適当な理由を作って逃げるのではなく、『あなたには恋愛感情がない』とハッキリと伝えるのが一番です」(同)

 たとえ深く傷つけてしまっても、相手がスパッと気持ちを断ち切れるよう心を鬼にするのが、本当の意味での「いい人」なのかもしれませんね。でも、その後も顔を会わせる相手に対して毅然とした態度を取るのは、なかなか酷なもの…。振った後の関係を良好に保つために、何かいい方法はないの!?

「その後の関係に支障をきたさないためには、振るときに、『恋愛関係になる可能性はないけれど、仲間としてはうまくやっていきたいと思っている』と告げておくのがいいと思います。『同僚として挨拶はするけれど、プライベートな会話はできない』『連絡は事務的な内容でしかとらない』というように、自分はこれから冷たい態度をとるということを相手に分かってもらえれば、振られた方も納得するはず。また、信頼できる周囲の友人などに事情を話しておき、なるべく2人きりにならないよう気を遣ってもらうのも◎。あとは必ず、時間が解決してくれます。振る辛さの経験は、きっと人間的な成長に繋がるはずですよ」(同)

 「振る辛さ」というと贅沢な悩みのように聞こえますが、相当な覚悟がいるのも事実! 大切な仲間と良好な人間関係を築くために、ぜひとも心得ておきたいものです。

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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