電車が人身事故で止まる…

地方出身者が「都会って怖い！」と思うこと

　上京したての頃、都会での生活は新鮮味に溢れていて楽しいものかもしれません。でも、ときに都会ならではの怖さも感じることがあったのではないでしょうか。地方出身で東京在住のヒトメボ読者に「都会って怖い！」と思ったことを聞いてみました。

運転しにくいこと

「都内で車を運転すると、一方通行が多かったり、中央分離帯が多かったりするので、より安全運転を心がけないといけません。あと、駅前のコインパーキングの値段が怖いです」（神奈川県出身・34歳男性）

　運転免許証は持っているけど、東京の大きな道路は怖いから絶対に運転しないという人の話もよく聞きます。

トイレに変質者がいたこと

「上京したてのころ。新宿の男子トイレの小便器で用を足していたところ、左隣から視線を感じました。チラリと見てみると、知らないおじさんが僕の顔を凝視しながら自分の股間を触っていました。うちの田舎ではそんな経験をしたことがなかったので怖かったです……」（大分県出身・35歳男性）

　実際のところ、都会と田舎では変質者に遭う確率はどちらが高いのでしょうか。用を足している最中だと逃げるに逃げられませんよね。

電車が人身事故で止まること

「電車がすぐ人身事故で止まることです。そんなに頻繁に線路内に人が入るなんて怖いです。うちの地元は路面電車が走っていますが、事故なんてそう多く起こらなかったので」（熊本県出身・27歳男性）

　人身事故の多さに驚く人も。なぜこんなに人身事故が多いのかを考えると怖くなりますね。

電車にいろんな人がいること

「電車に乗ったとき、奇声を発していたり、見えない何かに向かってブツブツと話しかけていたりする人に遭遇することが多い気がする。初めて見たときはびっくりして思わずジロジロ見てしまったけど、周りの人たちは至って冷静で見ないふりをしていました。都会は人が多い分、いろんな人がいるのだと思いました」（宮崎県出身・27歳女性）

　電車の本数の少ない田舎は車で移動する人が多いですが、都会だと移動はほぼ電車。結果的に多くの人が乗車することになるので、確率も高いのかも？

街を歩くと必ずキャッチに遭ったこと

「今はだいぶ取り締まりが厳しくなったけど、私が上京した当初は街を歩くと必ず4～5回はキャッチに声をかけられました。初めて声をかけられたとき、よく分からずついていくと、高い化粧品を買わされそうになり『友達と約束している時間なので』と言って逃げました」（鹿児島出身・28歳女性）

　最初はキャッチを「怪しげ」と認識できないことも。一度危ない思いをすると、次回からの教訓になるものですよね。

テレビで観た夜の繁華街そのままだったこと

「初めて六本木にオールナイト上映を観にいったとき、地下鉄の出口付近から警察24時で聞いたことあるサイレンが鳴り響いていた。出たら外国人男性十数人にオジサンが取り囲まれてカメラを取られて（たぶん）罵られていた。やじうま根性で駆け付けたお巡りさんに聞いてみたらオジサンが盗撮しているのを取り押さえてくれたらしい。いろんな意味で都会って怖いと思った」（福井県出身・36歳男性）

　悪い面ばっかりではないと思いますが、初めての体験がそれだともうそのイメージで固定されてしまうのも仕方ない気がします。

人が倒れていても見て見ぬふりをすること

「今ではほとんどはただ酔っ払っているだけなんだと分かりますが、明らかにちょっと出血している男性が倒れていても誰も見向きもしない。たぶん大丈夫なのだろうし、揉めごとに巻き込まれたくない気持ちも分かるけど、皆がそれを普通の光景として歩いているのを見るとちょっと怖いと思う」（徳島県出身・32歳女性）

　人間関係が希薄になってしまうのは良くも悪くも都会の特徴なのかもしれませんね。どこに住んでいても思いやりの心は持っていたいものです。

自分を変えてしまったこと

「電車のつり革につかまらなくてもバランスを崩さない都会の人ってすごい！と思っていた15年前。しかし今は、電車のつり革をつかまらずによろける人を見て『この田舎者め！』と思ってしまう自分がいます。自分を変えてしまった都会って怖い」（岩手県出身・37歳女性）

　都会者の定義がずいぶんと狭い気がしないではないですが、上京して15年も経つと「この田舎者め！」と思う側になってしまうようです…。都会って怖い！

　上京当初は驚くことばかりで、ときに怖さも感じることもあったのに、年月が経つにつれていろんなことに慣れていき都会色に染まっていくようです。もちろん都会だからこそ怖くないこともあるでしょうし、いつまでも慣れないほうがいいこともあるとは思いますが…。皆さんは「都会って怖い！」と思ったことはありますか？

(姫野ケイ+プレスラボ)

初出 2015/4/1