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2016.03.23
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2016.03.23
寝つきが悪い、起きた時に首や肩が痛い…そんな悩みがあるなら、枕を見直してみると良いかもしれません。自分に合った枕の選び方について、まくら株式会社代表取締役の河元智行さんに伺いました。
まず、そもそもの話ですが、なぜ眠るとき枕を敷くのでしょうか?
「直立歩行をする人間は、頭が重みで前に出ていて背骨がS字カーブを描いています。そのため、そのまま仰向けになると頭の部分と床の間に隙間ができます。その隙間を埋めるために作られたのが枕です。赤ちゃんは背骨がまっすぐなので枕は必要ありませんが、大人は枕がないと頭が後ろにのけぞっている感じがして眠りにくいものです。一般的な大人はやはり枕を使ったほうがいいでしょう」(河元さん、以下同)
さまざまな枕がありますが、その中で自分に合う枕はどのように選べばいいのでしょうか?
「枕選びで何より大事になるのは、結局のところ、 自分の『好みと感覚』です。たとえ、身長や体重、体型などが同じでも、人によって合うと思う枕は違います。人間工学的な理論やお店の人の意見によってすすめられた枕があったとしても、最終的には自分の感覚や好みを信じて選ぶのがいいでしょう。とはいえ、枕を選ぶ際に基本となるポイントはあります。それは『高さ、素材、形状・大きさ』です。それぞれ覚えておくとよい点をお伝えします」
「首が痛くなったりして、枕が合わないと感じる一番の原因が高さです。背骨のS字カーブが深い人は高い枕、浅い人は低めの枕が合いやすいなどはありますが、実際にいつもの環境で使ってみないとその高さが自分に合うかどうかはなかなかわかりません。そこでおすすめしたいのが高さを調整できる枕です。最近は、枕の中身を足したり引いたりして、自分で調整できるものが増えています。好みの枕を選んだら、実際に使いながら中身を微調整していくと自分にぴったりあった枕にすることができます」
「枕の中身に使われている素材にはそれぞれ特徴があり、どんな素材にもメリット・デメリットがあります。特にデメリットを知っておくと、あとでこんなはずではなかった、枕選びに失敗したと思うことが少なくなります。事前にネットで調べたり、お店の人に聞いたりして比較検討しましょう」
(代表的な素材)
メリット:軽くて柔らかくクッション性に優れている。
デメリット:使えば使うほど弾力やボリューム感がなくなる。ホコリなども溜まりやすい。
メリット:通気性や吸湿性に優れ、夏場はひんやりとして気持ちがいい。
デメリット:使用しているうちにそばがらがつぶれて粉が出たり、湿気により虫がわくことがある。アレルギーやぜん息の方は病状を悪化させることがあるので注意。
メリット:柔軟性に優れ、体型や寝姿勢に合わせて形状を変えるためフィット感がある。
デメリット:温度によって硬さが変わるので、夏は柔らかくなって頭が沈みやすく、冬は硬くなって頭が沈みにくいなど、季節によって使い心地が異なる。
「寝るときの姿勢によって使いやすい枕の形は異なります。日本人は仰向けで寝る人が多いので、一般的な枕の形は仰向け用と言えます。日本の布団に合う標準的なサイズは43×63cmですが、今使っているベッドとのバランスや、好みで大きさを選ぶといいでしょう」
(寝姿勢と使いやすい枕)
最近はいろいろな枕がありますから、このようなポイントを参考にすると候補を絞りやすくなりますね。
「そうですね。また、枕が合わないからといってすぐに買いかえるのではなく、今使っている枕を自分に合うように調整してみるのもいいでしょう。 一番いいのは枕の中身を変えることですが、できない場合は、以下のような方法があります」
枕をかえたらやっぱり前のほうが良かったと思うこともあるようです。新しい枕を選ぶ前に、今ある枕を調整したり、寝る時の姿勢をチェックしたりして、自分の好みや自分に合う枕がどのようなものなのかを考えてみるといいかもしれませんね。
(鳴沢ことみ/コンセプト21)初出 2015/1/29
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