ヒトメボ

コピーライター、コラムニスト

まついゆうへい

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読了時間:約4分

 誰と付き合っても長続きしない、いつも同じくらいの期間で別れてしまう…。心当たりはありませんか? 恋の賞味期限なんて言葉もあるように、カップルには破局しやすいタイミングが何度か訪れるようです。それにはちゃんと理由もあるのだとか。恋愛心理や脳科学に詳しい、コラムニストのまついゆうへいさんに聞いてみました。

快感物質PEAは3ヶ月目から減りはじめ、3年で枯渇する

「『恋の賞味期限は3年』とよく言われるのは、PEA(フェニルエチルアミン、フェネチルアミン)という脳内の神経伝達物質に影響しています。PEAは快感物質で、恋愛初期のタイミングで『ドキドキしている』ときに多く分泌されるもの。

しかし残念なことに、PEAは3ヶ月目から減りはじめ、3年程度で枯渇してしまいます。付き合って3年程度経ち完全にPEAが枯渇してしまうと、次なる刺激を求めて浮気に走ったり、単純に相手に興味をなくしてしまったりするのではと考えられます」(まついさん)

 快感物資の手助けがなくなったとき、好きじゃなくなったと勘違いしてしまったり、物足りなくなってしまうんですね。減りはじめの3ヶ月でそれはちょっと早い気もしますが…。そしてPEAにはなんともやっかいな特徴も。

PEAには中毒性がある!?

「PEAはモルヒネに似た構造で、中毒性が強いんです。そしてどちらかというと、先の展開が見えている安定的な恋より、叶わぬ片想いなどの不安定な恋をしているときのほうが多く分泌されます。そのため『報われない恋や危険な恋を好む人』『恋に恋するタイプで恋愛経験の浅い人』などは、このPEAの作用によっていわゆる『恋愛中毒』になってしまいがち。こうした恋愛中毒者に関しては、PEAが減少し始める3ヶ月目のタイミングで、次なる刺激を求めてしまう人が多いかもしれませんね」(同)

 文字通り、恋愛の中毒なんですね。言われてみれば、危険な恋をしたがる人や、そこまでモテてはなさそう人ほど、恋愛のサイクルが早いような気もします。

とはいえ、あまり気にしないこと!

「ただし、『思い込みの力』もかなり強いと言えます。プラシーボ(偽薬)効果という心理学用語があるとおり、砂糖のかたまりでも『これは効く薬ですよ』とお医者さんから与えられると、大半の人はコロッと治ってしまうくらいですから。血液型占いも一緒で、子どもの頃から『A型は几帳面』と言われながら育ったA型の人は、実際に几帳面に育つケースが多いでしょう。同じように『恋の賞味期限は3年』と強く思い込むと、現実になりかねません」(同)

 何事も自分に都合のいい部分だけ信じておくのがいいのかも(笑)。最後に、まついさんから気になる説をもうひとつ。

PEA枯渇から1年後、もう一度危機が…

「『結婚4年目の離婚説』というのもありますよ。じつはPEAが枯渇した後に、エンドルフィンという多幸感を与える物質が出てくるのですが、これも1年で枯渇します。子育てが一段落した4年目頃から、親たちも子孫繁栄のために自然と次の相手を探すようになる…という説が有力ですね」(同)

 3年目の破局危機を乗りこえ、ようやくハッピーな1年を過ごせたかと思いきや、またもや脳内物質のしわざ。しかも途中で切れてしまうんですね…。一筋縄でいかずなんだか映画みたいです。

 う~ん! 人間の本能って、よくできているような、現代人からすればやっかいなような。気にしすぎもよくないけれど、いつも決まった時期に別れやすいっていう人は、破局しやすいタイミングについて頭の片隅にちょっと入れておくといいかもしれないですね。

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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