ヒトメボ

獣医師

池田丞

  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク
  • コメント入力フォームに移動する
  • 評価フォームに移動する
読了時間:約3分

 飼い主を癒してくれるペットですが、たまに、「一人暮らしの女性がペットを飼うと婚期が遅れる」などと言われることがあります。この俗説の理由のひとつは「飼い主の恋人にペットが嫉妬するから」だそう。本当にペットの嫉妬ってあるのでしょうか? あるとしたらどのように接したらよいのでしょうか? 田柄動物病院の院長・池田丞先生に聞いてみました。

恋人を受け入れる犬

「なかには飼い主と恋人が並んで座っている間に割り込んで入ってきたり、わざと粗相をしたりして飼い主の興味を引こうとする子もいますが、犬は飼い主さんが受け入れている人間ならば、比較的、受け入れてくれると思います。嫉妬というより、仲間が増えたと感じるのではないでしょうか。実家に彼氏を連れて行ったときの、女性のお母さんの心情に近いのかもしれません」(池田先生)

 かまってちゃんな性格が多いという印象の犬。飼い主の恋人を仲間だと認識できても、やきもちを焼いてしまうことはあるようですね。

どんな人でも警戒する猫

「一方、猫はあまり嫉妬というものを示さない動物です。とはいえ、飼い主が連れてきた人が恋人であろうとなかろうと警戒心を示すでしょう。何度か通ううちに、少しずつ心を開いて近寄ってくるかもしれませんが、場合によっては、どこか奥に隠れたきり出てこないこともあります。こちらは、女性の実家に彼氏を連れて行ったときの父親の心情に似ているように思えます」(同)

 猫は常に「もしも」のことを考えているようにも思えます。娘から彼氏を紹介されたお父さんのように「もしかすると、飼い主を悲しませる悪い人間かもしれない」と心配しているのかもしれませんね。

恋人とペットを打ち解けさせるには?

「恋人と犬が打ち解けるためには、飼い主と一緒に散歩に行って遊ぶのが手っ取り早いですね。おやつで釣るというのも一案です。遊んで距離を縮めたら、通うたび少しずつ上下関係をつけていくと良いでしょう。そうでないと、『この人は自分より下なんだ』と思われ、言うことを聞かなくなってしまいます。犬から『この人がリーダーなんだ』と認識されれば、飼い主さんより恋人の言うことを聞くようになるかもしれません」(同)

 一緒に何かをすることによって絆が芽生えるのは、人も犬も同じですね。上下関係のしつけができていないと、高圧的な態度をとられてしまいそうです。では、猫はどうでしょうか?

「猫の場合、向こうからやって来るまで恋人からも近付かないように。もし近寄ってきても絶対にからかってはいけません。そうやって徐々に距離を近づけていけば、少しずつ心を開いてくれることでしょう」(同)

むしろ、彼氏が彼女のペットに嫉妬する!?

「これは私の実体験なのですが、ペットを飼っている一人暮らしの彼女の家に彼氏が遊びに行くと、彼氏はペットに嫉妬します。別にライバルではないのですが、女性の動物に対する愛情は、男性には理解をしがたいものがあります。おそらく、これが男性にはない母性本能なのかもしれません」(同)

 言葉が話せない分、ペットには人間以上に察する能力があるようにも思えます。「婚期が遅れる」の俗説は、同じように愛情を注いでいるつもりでも、彼氏のほうがそうは思ってくれないということなのかもしれません。ペットと恋人、うまく付き合っていきたいものですね。

(姫野ケイ+プレスラボ)
  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク

評価

ハートをクリックして評価してね

評価する

コメント

性別

0/400

comments

すべて見る >

ライター

姫野ケイ+プレスラボ

あわせて読みたい