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2019.03.31
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2019.03.31
「人類は○○年に滅亡する」といった「滅びの予言」は、多くの耳目を集めるだけではなく、なぜか人気があります。自分も死ぬかもしれない話なのですが、どこかから滅びの予言を見つけてきて、言い立てる人は後を絶ちません。自分で理屈をこねて滅びの予言を行う人もいます。さて、ここ最近の「滅びの予言」にはどのようなものがあるのでしょうか? しばしば日本最強のデバンカーと呼ばれる皆神龍太郎先生にお話を伺いました。
※「デバンカー(debunker)」とは、超常現象やオカルトを懐疑的に扱い、科学的に検証しようとする人のことです。
――人類滅亡の予言というと、1970年代にあった「ノストラダムスの大予言」ブームが思い起こされますが。
皆神先生 人類滅亡の予言というのは昔から絶えたことはありません。大ブームになった『ノストラダムスの大予言』(初版1973年)では「1999年7月」。その後は「2000年問題でコンピューターが狂ってミサイルが発射される」なんて与太話まであった「2000年」。全世界的に湧いた「2012年12月21日(あるいは23日)」は、マヤの長期歴に端を発する予言でした。
――ありましたねぇ。
皆神先生 ね、もう忘れてるでしょ? 人間は当たらなかった予言はスルーしてすぐに忘れちゃうんですよ(笑)。ちなみに終末の予言では、かつて日本には「末法思想」というのがありまして、「1052年」は「末法元年」で「闘諍(とうじょう)の末法が来る」といわれました。これは仏教の世界観から来る話で、もちろんおしまいではありませんでした。
――最近の滅びの予言では、何年に滅亡することになっていますか?
皆神先生 質問がかなりヘンですが(笑)、なんらかの予言は毎週のように更新されているというのが正直なところです。例えば、オカルトサイト『トカナ』では、滅びの予言情報が充実していますが、もう毎月というか毎週世界は滅んでないといけないようですね。
ジュセリーノ・ダ・ルースが「2019年に南海トラフ巨大地震が発生して日本は完全滅亡」と予言したそうですから、日本人にとって直近の「滅亡タイム」は今年かもしれませんね。
――嫌な話ですねぇ。こういう予言って風説の流布に当たらないんでしょうか。
皆神先生 株式市場に関係した話ならアウトかもしれませんが……。本人も捕まりそうなことは言わないようにしているんじゃないでしょうかね。
ちなみに、このジュセリーノ・ダ・ルースという人物は「的中率90%以上」などとメディアで紹介されることがありますが、彼の予言というのは全く当たらないか、事件や事故が起きたその後になってから「当たっていた」として公表されたものばかりで、全く信用できません。
――なるほど。
皆神先生 いずれにしても、滅びの予言というのは、手を替え品を替え、後から後から出てくるものです。ネットがあるので、伝達速度は速いですが廃れるのも速いのです。そして外れた予言はみんな忘れます。
新たな予言が出ては消え、するのはこの忘却力のせいでもあるでしょう。私も予言をしておきましょうか。
「今週もまた新たな滅亡予言が出されるであろう。だが、その予言の日にちが過ぎれば誰もがすぐに忘れ、次に出される滅亡予言にまた怯えるであろう」
これ、間違いなく当たりますよ。
――ありがとうございました。
筆者は『ノストラダムスの大予言』直撃世代です。小学生でしたが、読んだときの衝撃は今でも忘れません。「うわー、どうしよう」と暗い気持ちになりました。子供なのでどうしようもないのですが(笑)。これから先も「○○年に人類はおしまいだ!」なんて話は出るでしょう。しかし、どれもこれも眉唾だと考えておけばいいのではないでしょうか。もし本当に滅びが迫っているのなら、誰かにいわれるまでもなく、肌身に感じて自分で分かるはずですから。
(高橋モータース@dcp)
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