ヒトメボ

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2017年の流行語大賞に選ばれた「忖度」という言葉。政治問題で耳にするようになるまでは、あまり馴染みのないワードでしたよね。しかし思い返してみると、私たちが子どもの頃から「忖度」を感じる瞬間はあったのかもしれません。子ども心に“忖度”を感じたテレビ番組について、ヒトメボ読者に聞いてみました。

のど自慢

「子どもの頃、祖母と一緒にのど自慢をよく観ていました。そのとき、90歳のおじいちゃんが登場して満点を出したことがあったんです。祖母に『そんなに歌上手じゃなかったよね?』と言ったら『でも私より年上のおじいちゃんなんだから、すごいじゃない』って答えが返ってきて、なんだか不思議な気分になったのを覚えています」(宮城・30歳男性)

「実家で暮らしていた子どもの頃、週末に両親と観ていたのど自慢はいつも、ゲストの演歌歌手の人が子どもやお年寄りに甘かったのをよく覚えています。でも、そのなんとも言えない優しい雰囲気が妙に心地良かったんですよね」(長野・32歳女性)

のど自慢はある程度採点が緩めのアットホームな雰囲気がいいのかもしれませんね。本気で採点されてダメ出しされても、観ている人はしらけてしまいそうです。

仮装大賞

「採点のメーターが一回ストップした後に追加で点数が増えて合格になる人たちと、ならない人たちの差ってなんだろうって、子どもながらに考えた私は『欽ちゃんと仲良くなれたかどうかだ』って結論に至りました。私が仮装大賞に出るときは、絶対欽ちゃんと仲良くなろうって思ってました(笑)」(富山・29歳女性)

「仮装大賞を観るたびに欽ちゃんの『入れてあげてよー!』はずるいなーと思ってました(笑)。欽ちゃんが推すのと推さないのとで結果が左右されるから。今考えてみると、採点後半の“伸び代”が忖度そのものですよね」(福岡・27歳男性)

改めて忖度という言葉の意味を調べてみると「他人の気持ちをおしはかること」とありました。この場合、おしはかられているのは参加者の気持ちか、萩本欽一氏の気持ちか……。

モノマネ番組

「モノマネ番組の勝敗って、似ている似ていない以外の部分で結構決まっていた気がします。『この人は全然似てないけど面白キャラで最近人気だから、視聴率のために2回戦目まではいかせてもらえるだろうな』とか、『最後は大御所対決になるだろうから、若手のこの人は上手だけど途中で脱落』とか」(埼玉・29歳男性)

「モノマネ番組でご本人が登場すると勝率上がるような気がしていました。審査員の人としては、せっかく出演してもらったご本人の気持ちを忖度しなきゃいけないんじゃないかなって」(愛知・31歳女性)

ストレートに似ているほうを勝たせるのか、それとも特徴の掴み方が面白いほうを勝たせるのか……と、モノマネ対決は審査の基準が曖昧になりやすいせいか、採点に忖度を感じる人が多いようです。とはいえ、ご本人にわざわざ来てもらっておいて負けるというのは、たしかに気まずい気もしますし……。

カラオケ番組

「昔のカラオケ番組はのど自慢みたいに審査員の審査があったけど、最近のカラオケ番組って採点機が機械的に点数を出しますよね。機械に採点してもらうほうが平等なのはたしかだと思いますが、なんだかテクニック対決にみたいになってしまっている気がします。特定の人しか勝てないし……。小さい子に対しては審査員のコメントも優しい、昔みたいな忖度強めのカラオケ番組が懐かしいです(笑)」(神奈川・30歳男性)

もちろん審査員のみなさんも平等な採点を心がけていたはずですが、ときどきは会場の空気を読んだかな? という採点もありましたよね。採点の平等性という点では人間に勝ちますが、人情を感じる審査はまだまだ機械には難しいのかもしれませんね。

子どもながらにテレビ番組を観て感じていた、予定調和な採点に対する安心感や、どこか釈然としない気持ち。今思えば、審査員たちがみせたあの配慮を“忖度”と言うのでしょう……。

(シャモジョー/ヒャクマンボルト)
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