ヒトメボ

近畿大学教授

堀田美保

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 40万人以上が利用中の無料サービス、一目惚れしたときに押すスイッチ「ヒトメボ」。利用者の方が一目惚れスイッチを押した時間を集計したところ、興味深いことがわかりました。

 一目惚れスイッチを押した人の42%は、17時から23時の間に押していることが判明したのです。17時から23時といえば街は暗くなり、日中のように顔がはっきり見えない時間帯。一目惚れするには悪条件な気もしますが、一体なぜなのでしょうか。その理由について、『現代文化スタディーズ』(晃洋書房)の著者であり、近畿大学で心理学を教えている堀田美保教授に話を聞きました。

――どうしてアフターファイブ以降に一目惚れする人が増加するのでしょうか? 要因を教えてください!

「その要因の一つに、暗闇で人間の瞳孔が変化することが考えられます。瞳孔とは、瞳に入って来る光の量を調節する部位。明るいところでは小さく絞られ、暗いところでは大きく開く性質があります」(堀田先生)

――ネコの目を観察するとよくわかりますよね。でも、瞳孔が大きく開くことが、一目惚れにどういう影響を与えているのですか?

「瞳孔は光の量の調節のため以外にも大きくなるケースがあります。それは、興味のある対象物を見たとき。気になるものやよく見たいものが目の前にあると、人の瞳孔はより多くの情報を取り入れようとするため大きくなります。逆に、自分を見ている人の瞳孔が大きくなっていると、この人は自分に興味があるのかなと無意識のうちに思ってしまう効果もあるのです」(同)

――なるほど! 瞳孔が大きくなった人を見ると、自分自身に興味を持たれていると錯覚し、自分への好意と感じるのですね。

「人を好きになる心理については様々な研究がありますが、その中の一つに『返報性』と呼ばれる、『人は、自分に魅力を感じてくれている人を好きになる』というものがあります。相手から褒められたり、目を見て会話されたりしたときに、承認され評価されたと感じ、それが転じて相手への好意となるのです。瞳孔の大きさはそういった返報性を満たしてくれる一つの要因になっているのかもしれませんね」(同)

 一目惚れが17時から23時の間に多発していた一つの要因は瞳孔の変化と受け手の錯覚にありました。服装や髪型、雰囲気などももちろん大事な一目惚れの要素ですが、そこに後押しを加えていたのが瞳の効果だったようです。

 今回は心理学の面から「瞳」に焦点を当てて分析しましたが、次はもっと違った側面から、男女差なんかも追究してみたいと思います!

(山本莉会/プレスラボ)
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ライター

山本莉会

プレスラボ

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