ヒトメボ

カウンセリングサービス所属カウンセラー

原裕輝

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読了時間:約5分

 交際中、なんとなく流れで同棲生活を始めるカップルは少なくありません。とはいえ、「やっぱり一人暮らしのほうが気楽…」「一緒に住むには早かった」など、嫌いになった訳でも別れたい訳でもないものの、同棲については解消したくなることが……。そんなときってどう切り出したらいいのでしょう? 恋愛カウンセラーの原裕輝さんにお話を伺いました。

「同棲相手にもう一度バラバラに暮らしたいことを告げる際、そのときの切り出し方次第で、相手を傷つけてしまわないかどうか気になりますよね。また、今後の付き合いに影響を与えかねない問題だと思います」(原さん)

 始まりは簡単でも終わるときはやっぱり慎重に考えないといけないですよね。どんな理由だと相手を傷つけてしまうのでしょうか?

相手を責める理由では今後の付き合いにヒビが入る!

「それは、“相手のせい”となってしまう理由です。『いつも気遣いできないところがダメ』『何でも私に頼るとこがダメ』など、相手の人格を否定するような理由は今後の付き合いにヒビが入ります。また直接的に“あなたのせい”と言ってはいなくても、相手が『自分が原因ってこと?』と感じる場合もありますから、相手を責める意味合いが含まれないよう、言い回しには注意が必要です」(同)

 たしかに、今後も恋人関係を維持したいのに「あなたのこんなところが我慢できない」なんて主張では…。同じようなことを伝えるにも相手に与えるショックが少ない言葉選びというものがあるようです。

あくまでも「自分の問題」となるように言い回しを工夫!

「同棲解消の理由は“相手のせい”ではなく、あくまで“自分の問題が理由で”というスタンスで伝えるのがベターです。例えば『寝ている時のいびきがうるさくて、一緒に住むのはやっぱり無理』というのが本音だとしても、ストレートに伝えると相手を傷つけます。

ここは、『あなたのせいじゃなくて私の感じ方の問題なんだけど、今までは実家で一人部屋だったから分からなかったのが、今の生活になって初めて、人の物音やいびきが気になってしまって…。頑張ったんだけど、なかなか慣れなくてごめんね』などと、言い回し方を工夫してみてはいかがでしょう。『あなたのせいじゃなくて…』という枕詞は使えるかもしれませんね」(同)

 ほかにも、「まだ自分一人の家事もこなせないから、やっぱりもう少し自立してからにしたい」「じつは前から親に反対されてて…」などの理由もアリなのだとか。

「親の反対などは“相手のせい”でもないし、“自分は一緒にいたいんだけど”というスタンスを伝えられるので有効な理由になります。ただし、その場合は親と口裏あわせをしておきたいもの。その際『良い人なんだけど、やっぱり同棲はやめようと思ってて…』と言うと、親に心配されてしまうかもしれません。将来的に両親に恋人を会わせようと思っている場合は、あまりおすすめできません」(同)

 うーん。ウソも方便ということでしょうか。ただ、相手は傷つかないかもしれませんが、さらにその先の関係を考えているなら親を持ち出すのはちょっと難しいのかも…。さて、うまく同棲を解消できたとして、その後に注意すべきポイントはありますか?

同棲解消をポジティブに捉えること!

「同棲解消に決して罪悪感を抱かないことです。相手が承諾してくれても、それを切り出した本人に罪悪感があると、どうしても2人の間に気まずい雰囲気が残ってしまうもの。『本当は快く思っていないんじゃないだろうか』と余計な不安を抱えたり、相手が同棲解消のことを冗談っぽく話題にしたりしても、どうも責められているような気がして『ごめんねー』と軽く流すことができなくなります。これでは2人に心の壁ができる原因になりかねません。ここはあえて『今後も楽しく付き合うために同棲を解消したんだ!』とポジティブに捉えるようにしましょう」(同)

 また、同棲解消後、すぐにどちらかの家に入り浸っては私物を置いて行くというような、半同棲のような付き合い方はしないほうがいいそう。同棲の解消はメリハリのある付き合いをスタートさせるための手段でもありますもんね。最後に、大切な心得をお聞きしました。

「同棲解消の話は、生活スタイルの違いが気になるというような否定的な話になりがちですが、“一度離れることで、感謝の気持ちを再確認したい”という気持ちも伝えられると非常にいいと思います。同棲で学んだことや、同棲していた期間に感謝することはとても大事なこと。

お互いにとって同棲が否定的な経験にならないように、『今の私たちにとって、一旦だけ同棲を解消したほうが将来的にプラスになるよね!』という形で話を進められると、その後のお付き合いにも良い影響が出ると思いますよ」(同)

 恋人関係は維持したままの同棲解消。非常にナイーブな問題ですが、切り出し方次第でより良い付き合いに発展していける可能性もあるんですね。「うっかりノリで同棲してしまった…」なんて人は、この機会に一度見直してみるのもアリなのかも!?

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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