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2015.12.07
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あぁ、寒い…。“冬は人恋しくなる季節”と言われるだけあって、寒さが厳しくなるにつれて、独り身の寂しさが増してくるような気すらします。でも、よく考えてみれば、“冬は人恋しい”って、何か根拠があるの? 人恋しい気持ちに夏も冬もないような…。
「“人恋しい”とは、なんとなく人に会いたい、話がしたいと感じる気持ちのことですが、ちゃんとした心の裏付けはあります。身体的な理由と文化的な理由の相乗効果で、冬は人恋しさが増す仕組みなんですよ」と教えてくれたのは、恋愛科学研究所所長の荒牧佳代さん。
「冬になると、心のバランスを整えるホルモンである“セロトニン”の分泌量が減ります。セロトニンは、朝日が昇る朝から昼間にかけて分泌が活性化され、太陽が沈むと徐々に分泌量が減っていくため、日照時間が短い冬は自然と分泌量が減ってしまい、心が不安定になりやすくなるのです」(同)
なるほど、冬の“なんだか落ち着かない”気持ちには、ホルモンが関係していたんですね。
「さらに、睡眠ホルモンとも呼ばれる“メラトニン”は、セロトニンをもとに生成されます。そのため、セロトニンの分泌量が減れば、メラトニンも減り、眠れないせいで自律神経が乱れ、心の安定も乱れてしまう…という悪循環に」(同)
落ち着かない気持ちのときに睡眠不足が重なれば、誰でも不安定な精神状態になりそうなもの。まさか日照時間が原因だとは思いませんでしたが、納得です。
「また、気温の低下も理由のひとつ。人は寒さを感じると、動物的な本能から『誰かと身を寄せ合って体を温めたい』と思うものなのです。特に女子は、恋愛において“触覚”を大切にする傾向にあります。(ちなみに男子は“視覚”と“聴覚”を重んじる傾向あり!)そのため冬は“人恋しい”“誰かとふれあいたい”、もっといえば“人肌恋しい”状態になるのです」(同)
日照時間がホルモンに影響し、気温が本能に訴えかけた結果、私たちの体も心も“人恋しい”モードになるというわけですね。
「日本の冬は “カップルイベント”と称されたマスコミや商戦を賑わすイベントが多い季節です。クリスマス、カウントダウン、バレンタイン…と、イベントで街が盛り上がれば盛り上がるほど、恋人がいない自分の状況を痛感させられるのです。ただでさえ心が不安定になりやすいホルモン状態のときに、恋人のいない寂しさを突き付けられれば、“私にも誰かいてくれれば…”と感じてしまうのも自然な感情でしょう」(同)
それってまさに私のこと! これまでただの“ひがみ”が心を寂しくさせているのだとばかり思っていたので、ちょっと救われた気持ち。
ちなみにセロトニンは、食事や運動のほかに、髪に触れる、手をつなぐ、マッサージをする、などのスキンシップによっても活性化されるのだとか。独り身の人も、美容院に行ったり、マッサージを受けたりすることでセロトニンを活性化させれば、少しはこの厄介な“人恋しい”気持ちが紛れるかも?
(小倉杏)初出 2014/1/1
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