ヒトメボ

歯科医

堀克昌

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読了時間:約4分

 大事な人と会う直前に、納豆や餃子を食べた事を思い出して「ハッ!」としてしまうことってありませんか? そんなとき、口に手のひらを当てて「ハー」と息を吹きかけてみたりしますが、この方法でちゃんと匂いを確認できているのか疑問…。ブレスチェッカーのようなものを使わずして、簡易的かつ確実に匂いを確かめる方法はないものでしょうか?

「そもそも口臭の原因は、虫歯、口内の乾燥、自律神経失調症などの精神科的な問題を抱えていたり、飲食生活習慣、タバコや飲酒などの生活習慣の乱れ、唾液の分泌コントロールの低下や口呼吸、アレルギー性素因などがあります。また、口臭はこれらのどれかひとつが原因であるケースよりも、複数の原因が存在している方が多いです。

臨床に基づく印象としては、唾液が臭い人は確実に口臭があります。ですから簡単なチェック法としてコップなどの容器に唾液をたらし、その匂いを嗅いで臭ければ口臭アリと判断できるでしょう。

しかし、唾液を採取する容器自体に匂いがついていたり、口内と同一の37度程度にせず、外気温に合わせると自然と臭気レベルが下がって正しく検証できないので注意が必要です。唾液が無臭でも口臭に悩む人もいるので、あくまでも参考までに心得るとよいでしょう。

そのほか、例えば『密閉したコップに息を吹きかけ、その臭いを嗅ぎ取ってみる』とか、『掌をかざして匂いを嗅いでみる』などすれば自分で口臭を認知できると言われていますが、これらは対面で人と会話する状態と一致しないので、口臭チェックの方法として有効ではありません。

また、人は誰でも一定の臭気を持っていて、こうした習慣的な匂いに嗅覚は鈍感になる(気づきにくい)ので、自分で自分の口臭を正確に確かめることはできないと覚えておきましょう」

 と、教えてくれたのは口臭外来のある堀歯科医院・副院長の堀克昌先生。つまり、唾液が臭いと感じたら、それは確実に口臭アリと判断してOK。

 しかし、手のひらに息を吐いて匂いを嗅ぐ方法は、臭くなくてもセーフとは言えなかったり、逆に臭いからといって、他人が感じ取るほどの問題ではない…といった場合もあるということ。

 また、もうひとつ気になる自分のニオイと言えば「体臭」。これを自分でチェックする方法はあるでしょうか? 五味クリニック院長の五味常明先生にお聞きしました。

「体臭の主な原因として考えられるのは、ワキ汗の臭い。もしあなたがワキガであれば、確実に周囲の人に影響を与えているでしょう。自分がワキガかどうかを見分ける方法は2つあります。1つは自分が着ていた服に黄色や茶色のシミが付着して取れない場合。そしてもう1つは耳アカがベタベタしていたり、湿っている人は、ワキガの可能性があるとされます」(五味先生)

 ワキガかどうかが耳アカで分かるなんて意外…。一見まったく関係ないように感じるけれど、耳アカでワキガを判断できるのはなぜ?

「そもそもワキガの原因は『アポクリン腺』から出される脂肪酸などの匂い分子。これがワキの下に集中して多い人がワキガであるとされています。そして、ワキガの人の多くは耳にもアポクリン腺があるのです。脂肪酸などが混ざった耳アカは、湿り気や粘り気をもっているので、この条件に当てはまる人はワキガ体質である可能性が高いと言えるのです」(同)

 なるほど。口臭や体臭が気になる方は、先生方に教えていただいたセルフチェックを実践してみては? もし当てはまり気になるようであれば、口臭外来のある歯科やワキガ治療専門の病院に行った方がいいかもしれませんよ!

(冨手公嘉/verb)
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ライター

冨手公嘉

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