ヒトメボ

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「熱帯魚ブーム」は定期的に起こるものだそうです。例えば1980年代にも大きなブームがあり、その際に注目されたのが「グッピー」です。実際に子どもの頃に飼っていた人もいるでしょう。では、グッピーとはどういった種類の魚だったのでしょうか? また現在も飼育されているのでしょうか? グッピーの「今」を取材しました。

そもそもグッピーとは

グッピーはメダカに似た「カダヤシ」という魚の仲間です。1800年代半ばにスペイン人のド・フィリポ氏が発見し、後に、イギリス人のロバート・ジョン・レクメア・グッピー氏、ドイツ人のヘル・ペテルズ氏に再び発見されました。それぞれが発見時に学名を付けましたが、1913年に「Lebistes reticulatus(レビステス・レティキュラータ)」という学名に統一され、後に「Poecilia reticulata(ポエキリア・レティキュラータ)」という学名になりました。

現在親しまれている「グッピー(guppy)」という名前は英名で、2番目に発見したレクメア・グッピー氏の名前が由来となっています。ちなみにグッピーの和名は「ニジメダカ」ですが、上述のようにメダカではなくカダヤシ科の魚なので、メダカとは別種なのです。

また、グッピーというとカラフルな体色が印象的ですが、原種は地味な色をした魚で、品種改良の末に現在のようなさまざまな色や柄のグッピーが生み出されました。

グッピーブームは二度訪れている

海外で発見されたグッピーが日本に輸入されたのは1900年代初頭だといわれています。このころは海外からの輸入品は高級で、庶民がそう簡単に手が出せるものではありませんでした。グッピーが一般的になったのは戦後のこと。1960年代の高度経済成長に伴い熱帯魚の飼育がブームになり、初心者でも飼いやすいグッピーが注目されました。これが最初のグッピーブームといわれています。

その後、バブル期に入ると再び熱帯魚ブームが訪れます。1980年代後半から1990年代前半にかけてグッピーも大きな注目を浴びました。このとき人気の火付け役となったのが、「ブルーグラス」という種類のグッピーだったそうです。

ブルーグラス

グッピーの現在は?

1990年代半ばになると熱帯魚ブームは沈静化しましたが、グッピーは現在でも人気があるのでしょうか? 熱帯魚ショップ『TropiLand 荒川店』の店長・千葉武志さんにグッピーについて伺いました。

ーー1990年前後に起こった熱帯魚ブームで、なぜグッピーが流行したのでしょうか?

千葉さん:当時はグッピーだけでなく熱帯魚全般がブームでした。その中でグッピーが注目されたのは、やはり初心者でも飼いやすいことと、色がきれいで鑑賞に向いていることが大きいでしょう。

ーーそれから30年近くたった現在、グッピーの人気はどうなっていますか?

千葉さん:かつてのブームほどではないですが、グッピーは相変わらず一定の人気がある熱帯魚です。繁殖も難しくなく初心者向けですから、入門として購入される方が多いですね。

ーーいろんな色や柄のグッピーがいますが、特に人気が高いのはどんな種類ですか?

千葉さん:人気なのは「ドイツイエロータキシード」と「ブルーグラス」ですね。この2種はかつてのブーム時だけでなく、現在でも高い人気を誇ります。

ドイツイエロータキシード

ーーグッピーは改良種ですが、かつてのブームの頃と比べて現在はどのように変わっていますか? 新しい種類が登場していますか?

千葉さん:新しい色のグッピーも登場していますし、ひれの形がより大きく改良されたリボングッピーやスワローテールと呼ばれる種類も登場しています。胸びれがゾウの耳のように大きな「ダンボ」と呼ばれる品種もいますね。

ーー貴重な色や形のグッピーはやはり高額なのでしょうか?

千葉さん:当店の場合、一般的なグッピーだと国産で1,500円くらい、シンガポール産など外国産はワンペアで460円(取材時)ですが、高いものだとペアで1万円以上することも珍しくないですよ。コンテストで入賞するようなグッピーだとさらに高額になりますね。

ーーやはり熱帯魚は高額なのですね……。ありがとうございました。

1980年代のブーム時は、友達の家に行くと玄関に水槽が置かれ、そこでグッピーが飼われていたりしました。それから30年近くたった今でも、かつてほどでないにせよグッピーは変わらず人気とのこと。取材時にたくさんのグッピーが泳ぐ水槽を眺めましたが、思わず時間を忘れて見てしまうほどの美しさでした。子どもの頃に飼っていたという人は、もう一度飼ってみるのもいいかもしれませんよ。

取材協力:熱帯魚ショップTropiLand

http://www.tropiland.co.jp/index.php

(中田ボンベ@dcp)
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中田ボンベ@dcp

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