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2018.12.27
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昭和の時代には、レストランや喫茶店のテーブルに「ルーレット式おみくじ器」が置かれていたものです。100円を入れると「おみくじ」が入ったケースがコロンと出てきます。ある年齢以上の人は「あったなぁ!」と懐かく思い出すでしょう。実はこのおみくじ器は今でも全国で稼働しているのです。
現在も「ルーレット式おみくじ器」の製造・保守を行っている有限会社北多摩製作所の進藤卓弥さんにお話を伺いました。
北多摩製作所でルーレット式おみくじ器の製造を始めたのは1983年(昭和58年)のこと。また、おみくじ器をあちこちで見掛けた最盛期は昭和50年代だそうです。この頃には北多摩製作所だけではなく、他にも類似のおみくじ器を製造している会社があったのですが、現在でも製造・保守業務を行っているのは北多摩製作所ただ1社です。
北多摩製作所の「ルーレット式おみくじ器」には「ケース入りおみくじ」が59本格納でき、稼働させるための電源は必要ありません。硬貨投入用の穴は、100円玉は入りますが10円玉は入らないサイズに調整されています。また、5円玉や50円玉を入れてもおみくじは出てきません。ズルができない仕組みになっているのです。
100円玉を入れてレバーを引くというワンアクションでルーレットが回りおみくじが出ます。一見簡単な機構のようですが、電源やセンサーがあるわけではなく、全て機械式で動く職人技と工夫が凝らされた器械なのです。
ーー最盛期にはどのくらい製造されていましたか? また現在は月にどのくらい製造されているのでしょうか?
進藤さん 最盛期は記録がないので分かりかねますが、年間20万台ほど製造したようです。現在は月100台〜200台ほどで年間2,000台ほどです。
ーー最盛期には喫茶店以外に中華料理屋でもよく見かけましたが、他にはどんなところに置かれていたのでしょうか?
進藤さん 業者さんが当社から買い取って日本全国に設置していましたので、私たちには把握できていないのです。そのため分からないですね。業者さんは設置する各店舗とリース契約をしていました。多いところでは月に8万円も売り上げる店があったそうです。今とは100円の価値が違いますからね。かなり儲かったお店もあったわけです。
ーー現在ではどんなところに置かれることが多いのでしょうか?
進藤さん 現在はリースではなく、個人での買取になります。個人買取ではスナック、居酒屋、旅館、入浴施設、ラーメン店など各業種さまざまですね。
ーーおみくじの中身はどのように作られているのでしょうか?
進藤さん おみくじの中身は当初(昭和時代のもの)から変更しておりません。原本はおみくじ・占いの好きな大学教授が制作されたようです。一部間違った言葉・誤字・脱字などは変更いたしましたが、今も大きな変更はありません。
ーーありがとうございました。
現在でも日本全国で稼働しているルーレット式おみくじ器。北多摩製作所の職人技で作られた器械で、その調整や保守は同社にしかできません。スナックや居酒屋で見かけた際は、ぜひ占ってみてくださいね。
⇒『有限会社北多摩製作所』
https://www.kitatamaomikuji.jp/
(柏ケミカル@dcp)
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