ヒトメボ

M&Wパーソナルコンサルタント代表

横山理宏

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読了時間:約4分

 「独身女における恋人の有無の割合」や「同棲経験の有無」、さらには「性体験の有無」まで、恋愛にまつわるあらゆるデータを持っている、国の統計資料。こうしたデータの裏には、いったい男女の恋愛のどんな現実が隠されているのでしょうか?

 前回は、恋人・パートナー探しのコンサルティングを行う「M&Wパーソナルコンサルタント」の横山理宏さんにご協力いただき、男女の「平均初婚年齢」について分析を行いましたが、今回は「結婚をしたカップルの平均交際期間」についてデータを読み解きたいと思います!

 では、さっそく「恋愛結婚の平均交際期間」のデータをご紹介。男性、女性ともに初婚同士のカップルを対象にした統計データから、以下のような結果が出ました。

(※)第14回出生動向基本調査より(国立社会保障・人口問題研究所/2010年)

1987年:平均3.1年

1992年:平均3.4年

1997年:平均3.7年

2002年:平均3.8年

2005年:平均4.1年

2010年:平均4.4年

 なんと、付き合ってから結婚を決めるまでの期間は、約20年間で1年以上も伸び、2010年ではおよそ4年半という結果に! 正直なところ、「思ったより長い! 」という印象ですが、このデータの裏にはどんな背景があるのでしょうか?

「最近は、付き合ったら即結婚ではなく、恋人時代を長く有意義に過ごしたいという『恋人時代の長期化』の傾向が見られるように思います。今のように30代での結婚が当たり前となる前は、女性は『25歳までに結婚しよう』と思う人が大多数でした。とはいえ、短大を卒業した20歳からたったの5年間で結婚相手を探し、お互いを理解し絆を深めるための交際期間を設け、親の許可を得て婚約する…というのは、今に比べればかなりハードなスケジュールだったはず。

 25年前のデータを確認すると、当時の交際期間は平均約3年です。つまり25歳で結婚するには、短大卒業後わずか2年で結婚相手を探し、3年で相手のことを理解し、お互いの信頼を築かなくてはならなかったのです。時代が変わって30歳までに結婚という傾向が強まり、4年制大学を卒業した22歳から結婚までは、8年間、つまり以前の5年間に比べてさらに3年間の猶予が与えられることになりました。こうなると、結婚相手は焦らず慎重に選びたいという思いはもちろん、仕事や遊びにも時間を充て、人生をより有意義に過ごしたいという気持ちが出てくるものです。そういった『自分に使う時間』で失われた恋人との時間を補うためには、以前よりも長い交際期間が必要になってきたということなのではないでしょうか」(横山さん)

 これぞまさに、「仕事や学業と恋を両立したい」という気持ちの表れなのかもしれませんね。ではここで、気になる未来についてひと思考を。一体、5年先、10年先の恋愛・婚活事情は、どのように変化を遂げていくのでしょうか?

「ある程度の限界はあるにしても、おそらくこの先まだまだ晩婚化は進むと思います。男性も女性も、独身期間に余裕があれば、よりよい結婚のために『次があるかもしれない』という可能性に賭ける気持ちが強くなるもの。すると、選り好みが激しくなってなかなか結婚を決断できなくなるでしょう。容姿、職業、年収…など、人それぞれに結婚相手の条件にこだわりをもつ傾向が強まっているのも、そうした影響からかもしれませんね。

 

 一方で、若いうちに結婚しなければ様々なことが手遅れになるのを感じ取り、現実的に早めの決断を下す女性も増えてくるでしょう。『婚活ブームになんか乗らないし、結婚しなくても充実した人生が送れるわ』と信じていても、心の中では不安を感じている人も多いはず。今後は、再婚や国際結婚なども含めて、ますます多様な結婚観が生じてくると思います」(同)

 昔と今、そして将来…。恋愛のスタイルや結婚の価値観は、時代に合わせて着実に変化しているんですね。今回は主に結婚をテーマにした資料を読み解いてみましたが、今後も様々なデータをもとに、男女のリアルな恋愛事情を分析してみたいと思います!

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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