ヒトメボ

男女コミュニケーションアドバイザー

植田愛美

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読了時間:約4分

「ごはんにする? お風呂にする? それとも私?」…実際にこのセリフを口にする人がいるかはさておき、ドラマなどでラブラブの新婚夫婦が使うシーンを一度は目にしたこともあるのでは?

 ドラマでは「もちろん君!」という展開になることが多いのですが、万が一、このセリフが発せられたとしたら、望ましい回答はやっぱり「私から」なんでしょうか? コミュニケーション心理学の専門家・植田愛美さんにお聞きしました。

「少なくともごはんは後にしたほうがよいでしょうね。というのも、男性の性欲が高まるのは、飢餓状態にあるときだからです。飢餓状態は、空腹、睡眠不足、肉体や精神の疲労など、何かが“足りていない状態”“満たされていない状態”とも言い換えることができるでしょう。そのような状態のとき、“生存の危機”を感じて子孫を残す本能が働くのだと言われています。逆に、食欲が満たされると、性欲は低下してしまいます」(植田さん)

 死ぬかもしれない! だから…子孫を残さなくてはいけない! と感じるんですね。ということは、まっさきに「私」を食べて! が本能的に正解?

「動物的本能のみで考えればそうですね。ただ、普通に生活を送っている一般男性が、完全な飢餓状態に陥ることはまずありません。そのため、本能よりも理性が優位に立っています。仮に『もちろん君!』と答えたとしても、それほどまでにあなたを求めているというポーズでしょう。むしろ、女性が言外に誘っていることがわかるこのようなシーンでは、急がずに『じゃあ、先にシャワーあびようかな』などと言って準備を整えるのが理に適っています」(同)

 ということは、現実的に考えると「お風呂」が最初ということですね。

「そうですね。それが相手への礼儀にもなりますし、この行動によって、いったん理性を保つという“我慢”から軽い飢餓状態が作り上げられ、結果的により性欲が高まるという効果もあります」(同)

 なるほど。ちなみに、この順番で男性が満足するのは分かるのですが、女性にとってもこの順番がよいのでしょうか?

「いいえ。女性は飢餓状態のような“危機”を感じる場面では、性欲は高まるどころか萎える一方です。女性は狩りに出た男(オス)がいない間も種族を守り、出産や子育てを行うために、“安心”“安全”を本能で求める生き物だからです。このため、男性とは違って、満腹時など、“幸福感”“満足感”を得られているときに、“安心して子どもを育てられる環境だ”と感じ、子作りのためもっとも性欲が高まります」(同)

 性欲が高まるタイミングにそんな差があるとは! ということは、女性は「ごはん? お風呂? それとも私?」と聞く前に、先にごはんとお風呂を済ませておくといいのかも。

「そうですね。一緒にごはんを食べたり、お風呂に入ったりすることも幸せと感じると思いますが、その質問をするなら、先に済ませておいてよいかもしれません。というのも、女性はすでにごはんができている状態なら、温かいうちに食べさせて、『おいしい』と言ってもらうことも幸福感につながりますし、まだ準備ができていないなら、お風呂に入ってもらい、その間にごはんを作って温かいものを食べさせることにも幸せを感じるからです」(同)

 そうして、お互いに満たされていく…というのがパーフェクトな流れですね。

 結論! 「ごはんにする? お風呂にする? それとも私?」の正しい順番は…

「お風呂→私→ごはん」。

 女性は男性が“満たされていない”タイミングを、男性は女性が“幸せを感じている”タイミングを意識してくださいね。

(小倉杏)
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