ヒトメボ

PRマネジメント代表取締役

渡瀬裕哉

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読了時間:約4分

 仕事でミスをしたり、恋人や友達とケンカをしたり。“謝罪”しなくてはいけない場面は日常にあふれています。でも、せっかく謝っても、許してもらえないことも…。私の謝り方の、一体何がいけないの!?

 そこで、主に国会・地方議員や企業などのPR対策・プレス対策などを専門に行う、PRマネジメント代表取締役の渡瀬裕哉さんに謝り方についてお話を伺いました。渡瀬さんは、仕事としてクライアントに謝罪法をレクチャーすることも多いのだとか。

「相手に許してもらえない“悪い謝罪”には、それなりの理由があります」と渡瀬さん。よくある例はこちら!

【悪い謝罪】

1.謝罪の内容が主観的な思い込みである

(例)「“たぶん”○○がいけなかったんだと思います。すみませんでした」

「相手は、あなたの主観を聞きたいわけではありません。また、『きっと』、『たぶん』などの不確かな単語にも、十分注意したほうがいいでしょう」(渡瀬さん)

2.発言に矛盾が生じている

(例)「私は○○に問題があると思います。申し訳ありませんでした。(中略)問題なのは××でしょう」

「自分に非がないような意見を述べたのに謝ったり、思いつくままに謝罪すると終始一貫した話ができないことも。謝罪される側は、発言の矛盾やブレに敏感です。自信がなければ、謝罪前に簡単な台本を書きましょう」(同)

3.謝った後の対応が何も用意されていない

(例)「すみませんでした。もうしません」

「だからどうするのか、どのように(しないように)するのか、という今後の改善策が聞けなければ、同じことを繰り返す可能性があります。そのため、安心して許すことができないというわけです」(同)

 謝るのが下手な人は「すぐ謝らなくちゃ!」と焦って、この手の失敗をしてしまうみたい。相手が何を求めているのかを考えるためにも、冷静に事態を整理する時間が必要かも!

「最悪なのは、社長が謝罪会見の場に出てきて、台本にない的外れな自分の見解を延々と述べた挙句、質疑応答でしどろもどろになる場合。根拠のない持論を語れば言い訳がましく聞こえますし、質問に的確に答えられなければ、『やっぱり全然わかっていない!』と余計に腹を立てられてしまうでしょう。許してもらえないだけでなく、信用まで失ってしまうのです」(同)

 せっかく謝ったのにマイナスイメージがついてしまうなんて、目も当てられません。では、どうすれば“良い謝罪”になるの?

【良い謝罪にするためには】

1.客観的な事実に基づいて謝罪に至るまでの経緯をまとめること。

2.あらかじめ筋書きを決めて、発言から矛盾をなくすこと。

3.今後の改善策を明確にすること。

「基本的には、悪い謝罪と逆のことをすればいいのです。たとえば、ビジネスで自分がミスをした場合は、『大変申し訳ありません。○○が原因で今回のミスが生じました。今後は△△という方法で予防していきます』と謝ることができれば合格です。事前に筋書きを決め、それを様々な事実で補強しておくこと。客観性を担保しながら説明することで、相手からの信用が得られるのです」(同)

 ちなみに、専門外だという恋人や友達への謝り方のコツをお聞きすると…

「相手との距離感によりますね。客観的な話を理詰めでするよりも、むしろ『この人だから仕方ないか』と思ってもらえるよう、人間的な魅力で勝負したほうがいいかもしれません」(同)

 とのこと。たしかに、そもそもプロの謝罪法を用いなければいけないようなケンカはしたくないものですよね。

(小倉杏)
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ライター

小倉杏

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