ヒトメボ

カウンセラー

浅野寿和

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 みなさんは電車で座るとしたら、シートのどの辺に座りますか? 満員の通勤電車は座れるだけでありがたいものですが、誰しも「座るならココがベスト!」というお気に入りの場所が決まっているのではないでしょうか。今回は、電車の席の好みからその人の深層心理を探ってみましょう。お話をうかがったのは、心理カウンセラーの浅野寿和さん。

「電車の席は人の心理でいうと、パーソナルスペースを示すという側面がありますね。端の席に座る人が多いのは、『自分の心理的なスペースに他人を入れたくない』という防衛心理が働くからです」(浅野さん・以下同)

 たしかに、片側にしか人がいない端の席は『自分のスペース確保!』という感じがします。一方、両側に人がいる席だと、その人たちのキャラクターによって、居心地が左右されてしまうことも…。

「そう考えていくと、電車で座る位置からは、人との心理的距離感や親密感に対する感度…すなわち、その人の人付き合いの傾向を、うかがい知ることができそうです」

 なるほど。では具体的な診断をお願いします! みなさんは電車のシートがすべて空席だった場合、どこに座りますか?

A:端の席

「常識的で堅実な人。それなりに自分の世界を持ち、それなりに人に合わせられるタイプ。ルールを守り、その中で何事も楽しめる人ですね。それゆえ、自分と違うタイプや非常識なアイディアを持つ人に対して憧れを持ちつつも、どこかで嫌悪感をいだきやすい傾向があります。

このタイプの人は、それなりに警戒しそれなりに心を開くので、例えば異性なら、恋愛して結婚して子供を産んで…という流れを尊重してくれる人を好みます。リスキーな恋愛に憧れることもありますが、実は自分と同じ常識的なタイプとの方が相性は良いかもしれません。敵はマンネリ。自分を磨くことを忘れると大変です」

B:真ん中の席

「とても大胆で、生まれ持ってハートが強く、オープンで豪快な人。女性であればキモが座っている姐さんタイプです。自分の道を自力で開けるような強さを持つ、面倒見のいい人が多いでしょう。反面、自己中心的であったり、自己犠牲的であったりする場合も。その豪快さゆえに、人から誤解されたり、敵を作ることもしばしば。カリスマ性を持つ人が多いのもこのタイプの特徴です。

このタイプの人は、自分を慕う・自分を支えてくれるタイプと相性がいいですね。潜在的に孤独感を感じやすいナイーブさを隠し持っているので、さりげない心遣いや優しさに心を動かされることが多いでしょう」

C:真ん中より端に寄った席

「この席を好むのは、がんばり屋さんの秀才タイプ。努力で何事も勝ち取っていく優等生タイプと言えます。目標を持って努力し続け、自分を高められる反面、ストレスを抱え込みやすく、無理をしがちです。何事も『できない』ことを嫌いますから、自分にも他人にも手厳しい一面を持っています。

このタイプはそもそも、自分に対する劣等感や無力感がベースになって、その反動でがんばり続けている場合があります。もっと自分を心から愛し、評価を高めていくことが人間関係を築く鍵。ですから、自分の努力の成果やがんばりを認めてくれる人には弱いでしょうね。そういう人には愛情を返していくタイプと言えそうです」

D:座らない

「自分流を貫く人で、とても我慢強いタイプ。こだわりと信念の人です。他人と自分との間に一線を引き、距離を置きがちな傾向があります。簡単には心を開きませんが、いちど他人の価値を認めると、その人を絶対的に肯定していく側面もあります。直感力や感性、芸術的才能に優れているタイプ、完璧主義者や理想家の場合も多いですね。

このタイプは表面的なことより、その人そのものを認めてくれる人に弱いと言えます。内面に抱えている孤独から抜け出せるような、安心感が得られることが鍵。その一方、表面的なことばかり認められても満足はできません。人の内面的価値に重きを置く、同じ『座らない』者同士の共感力は深いものがあると言えそうです」

 いかがですか? なんとなく好きと思っていた席に、こんな心理が隠されていたとは驚きです。普段何気なく選んでいることにも、自分の心のなかのヒミツが、いろいろ隠されていそうですね。

(せんち/クレッシェント)
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