ヒトメボ

マナーコンサルタント

西出ひろ子

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 サラリーマンの王道スタイルと言えばスーツ姿。どうしても一辺倒に見えてしまうスーツですが、なかにはシャツ選びやアクセサリーなどの小物使いでおしゃれな雰囲気を醸し出している人もいますよね。しかし、職業や社風によって線引きが曖昧なビジネススタイルは、どこまで「着崩し」たり「遊び」を入れていいのか判断に迷うところ。そこで、スーツスタイルの着こなしマナーを、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに伺いました。

まずは、アクセサリーから。時々、ネックレスやブレスレットをシャツからチラ見せしている人がいますが…これってどうなのでしょう?

「基本的にスーツ職の人に許されるアクセサリーは結婚指輪と時計の2つに限ります。その他のアクセサリーはビジネスマナーとしてアウトでしょう」(西出さん)

 そうなると、おしゃれをアピールするには「時計」が重要なポイントとなりそう。では、どんな時計を選べばいい?

「時計で『自分らしさ』や『こだわり』を表現したいなら、皮ベルトのものを選ぶと良いでしょう。他の同僚とは、一味違った大人な魅力を演出できると思います。またステンレス製のベルトも、定番のシルバーではなく、黒みがかっているものは珍しく、人目を引きますね」(同)

 有名なブランド物の時計を身に着けている人も多いですが、やはり高級なほうが見栄えもするし好印象を与えられますか?

「決してそんなことはありません。人と違いを見せたいがあまりに、一目でブランド物だと分かるロゴが目立ったデザインの時計を身につけることはあまりおすすめできません。その理由は、成金趣味に思われてしまったり、相手もあまりいい印象を抱かないこともあるからです。20代の男性で上司よりも良い時計をあからさまにつけてしまうのは、面目をつぶすという考えからマナー的によろしくないと言えるでしょう。あくまで20代のうちは、マナー>オシャレを意識したほうが無難です」(同)

 いくら他の人と差をつけたいからといって、マナー違反となってしまうようでは、本末転倒ですからね。では、時計以外のものでおしゃれを演出できるアイテムはないのでしょうか? スタイリストの井口さんにスーツを着こなすコツを教えてもらいました。

「良くも悪くも相手の印象を左右するのは着こなしです。一言でスーツといっても、ジャケット、シャツ、ネクタイの素材や色のバリエーションは様々。特にシャツとネクタイは素材感で自分らしさをアプローチしやすい部分だと思いますよ」(スタイリスト・井口雅弘さん)

  ジャケットやシャツなら「形」、ネクタイなら「柄」にばかり気が向きそうですが、「素材感」が大事なんですね。選び方のポイントは?

「オシャレなビジネスマンは季節感に合わせて色や素材のコーディネートを変えています。秋から冬にかけてのこの時期はツイード、ニット素材のネクタイを選ぶのがオススメです。また、ネクタイのデザインは小さくドットがあしらわれたようなデザインの小紋柄や、右上から斜めに線の入ったレジメンタルストライプにすると、若年層から役員クラスまで受けがいいですよ。

そのようなデザインのネクタイを選ぶときはシャツは無地に、逆にチェックやストライプのシャツのときはネクタイを無地にするとバランスがとれていいでしょう。ジャケットの色はカーキ、茶系といった色を選びましょう。第一印象は外側から決まってくるので、色のあるジャケットを着る場合は無難なスーツ生地の方が良いと思います」(同)

 どこかを主張するなら、そのほかの部分は無難なテイストにするなど、派手になりすぎないバランス感覚が重要なんですね。他にも派手さを抑える着こなしテクニックはある?

「ポイントはシャツとネクタイの素材は異なるものにして、色は統一すること。そうすることで派手な印象を与えません。最初は寒色系、暖色系と同系色のもので異素材の物を選びながら、次第にデザインにもこだわりをもってみるといいでしょう。また、パーティや会食などに出席するときはチーフを加えてもOK。例えば、シャツは無地でネクタイはツイード、チーフを柄物にして同系色でまとめるなどがベター。私がスタイリストの仕事をしていて思うのは、オシャレまできちっとこだわれる人は仕事ができる人に多いということ。身だしなみを整えるという意味からいっても、着るものの素材やデザインにこだわりをもつことは、決して悪くない男のたしなみだと思いますよ」(同)

 「細やかな気配り」はファッションにも仕事にも共通するんですね。出勤はいつもスーツ着用のビジネスマンは、マナーをふまえつつ、おしゃれにスーツを着こなす工夫を取り入れてみては?

(冨手公嘉/verb)
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ライター

冨手公嘉

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