ヒトメボ

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「赤い帽子をかぶった黄色いイヌの容器」が特徴の『どうぶつのり』。小学校や幼稚園・保育園など、子どものころに使ったという人も多いでしょう。最近ではかわいらしいステーショナリーアイテムとして、大人にも人気です。では、この『どうぶつのり』はどのような経緯で生まれたのでしょうか? 製造・販売元の『不易(ふえき)糊工業株式会社』に伺いました。

どうぶつのりは1975年に誕生!

――どうぶつのりはいつ誕生したのでしょうか?

1975年(昭和50年)6月に、「いぬ」と「うさぎ」がどうぶつシリーズとして誕生し、同じ年の12月に「ぞう」が誕生しています。その後、1978年(昭和53年)1月にぞうが廃番になり、1981年(昭和56年)にうさぎが廃番になっています。

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――今は黄色い「いぬ」だけですが、「うさぎ」や「ぞう」もあったのですね。どのような経緯で開発されたのですか?

当時の文房具は事務的要素が強い商品が主でしたが、各社からファンシーな商品が生まれ始めていました。弊社も幼稚園や小学校での需要が高いでんぷんのりの容器を、今までにないかわいらしいものにできないかと考えました。そこで挙がったのが、どうぶつイメージの容器にすることです。最終的にかわいらしいイメージを容器化できた、いぬ・うさぎ・ぞうが採用されました。

――開発当時、どんなことが大変でしたか?

かわいらしい容器を作ることに苦労したと聞いています。現在のような3Dソフトはない時代でしたから、2Dイラストから何度も木型のモデルを起こして完成させました。

――開発に関してこだわったことを教えてください。

容器だけでなく中身の「のり」もこだわったものです。特に本商品は幼児向けということもあり、「中身ののりを早く無毒なものにしないと」という思いが強くありました。そのため、どうぶつのりが発売される前から有害なホルマリン無添加ののりの研究を進めました。

どうぶつのりには、17年の歳月をかけて完成した「でんぷんのり」が使われています。弊社のでんぷんのりは天然系素材のとうもろこしでんぷんを使用したもので、ホルマリンなしでも品質を維持して保存性も優れる、非常に難しい技術で成り立っています。これは他社にはまねのできない技術です。

なぜ「いぬ」だけが残ったのか

――発売時の反響はいかがでしたか?

今までにありそうでなかった製品でしたので、初めは人気でしたね。しかし、徐々にうさぎとぞうが売れなくなりました。うさぎは、耳のイメージが微妙で目も赤過ぎるのか、気持ち悪い、かわいくないといった声が出ていました。青い容器のぞうは、鼻のイメージが中途半端だったようで、販売数は下降線をたどりました。

――そうした経緯で「いぬ」だけが残ったのですね。

はい。元々は「どうぶつのり」というシリーズ展開でしたが、いぬだけが残って約30年がたちました。この「いぬ」は弊社のキャラクターにもなりましたが、2008年になってようやく「フエキくん」という名前がつきました。

――なぜ「フエキくん」になったのですか?

キャラクター化にともない名前を考えることになったのですが、なかなかいい名前が思いつきませんでした。そのため、「もうフエキくんでいいやん!」と簡単に決まってしまったのです。

アジアでも人気拡大中!

――これまでにどのくらいの数が販売されたのですか?

発売開始からの43年間の総数は分からないのですが、年平均では約80万個を販売しています。

――最後に、今後の展望を教えてください。

2008年にキャラクターになって10年がたち、近年は『ハローキティ』などサンリオキャラクターとコラボしたコスメグッズが出るなど、文房具以外にも展開しています。また、アジア各国に進出して知名度が高まっています。フエキコスメを中心に中国、タイ、韓国などで販売が伸びていますね。ちなみに、香港では1975年の発売当初から展開していたので、現地ではかなり有名ですよ。

――今後もいろんな場面で「フエキくん」を見掛けることが増えるかもしれませんね。ありがとうございました。

今なお愛されている「どうぶつのり」にはこうした開発経緯があったのです。みなさんは、最初に3シリーズあったことを知っている世代でしたか? それとも、知らなかった世代でしたか? 「フエキくん」がデザインされたボールペンやふせんなどステーショナリーグッズもあるので、気になる人はチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

取材協力:不易糊工業株式会社

http://www.fueki.co.jp/

(中田ボンベ@dcp)
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中田ボンベ@dcp

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