ヒトメボ

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ファミコン時代には、「パスワード方式」でステータスをセーブするゲームがありました。『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII』で用いられた「復活の呪文」は有名ですね。ステータスが文字列に置き換えられて表示されるので、子どもたちはそれをメモするのですが……よく書き間違えたのです。記録し損なうと、当然ゲームは再スタートできませんから、当時の子どもたちはなんとか前回までの苦労が水の泡にならないように悪あがきをしました。今回は「記録したゲームのパスワードが間違っていたときにした悪あがき」をヒトメボ読者に聞いてみました。

濁音・半濁音を疑う

「『ぱ』と『ば』を間違えたんじゃないかと、半濁音を濁音に換えて入力してみたりした」(東京都・37歳男性)

「とにかく間違えやすそうな文字を修正して入力してみた。『び』と『ぴ』、『ぶ』と『ぷ』とか」(京都府・38歳男性)

当時のモニター(テレビ)のサイズ、解像度からすると、「ばびぶべぼ」などの濁音と「ぱぴぷぺぽ」などの半濁音の区別、つまり「゛」と「゜」は見分けにくいものでした。濁音と半濁音、あるいは半濁音と濁音を書き間違えたのでは?と疑うのは自然なことですね。でも……入力し直しても結局「パスワードが違う」んですけどね。

「似た文字」に換えてみる

「『れ』と『わ』、『め』と『ぬ』など形が似た文字を誤記したのでは?と悪あがきをした」(埼玉県・37歳男性)

「『れ』と『ね』『き』と『さ』を間違えてのかもしれないなど、間違えそうな文字をいろいろ換えて入力してみたが、うまくいかなかった」(東京都・35歳男性)

これもよくあることですね。形の似た文字をいろいろ換えてみるのですが、絶対といっていいほどうまくいきません。パスワードを誤記したが、後でどの文字が間違っているのか分かってうまくリスタートできた!――なんて例は聞きませんものね。

メモの解読を頼む

「プレイに疲れていったんやめるときにメモするので、へろへろで字も汚い。自分の字を解読してくれと友達に頼んだ」(東京都・35歳男性)

「自分は字が汚いのでメモった紙を他の人に読んでもらった」(東京都・36歳男性)

自分で書いたのに読めない字は、他の人も読めないでしょう(笑)。もしかしたら正しい文字列に導いてくれるかも……という一縷(る)の期待を込めて依頼したのかもしれませんね。

攻略本にヒントがないか探す

「どこかになんとかする方法が載っていないかと攻略本を見た」(東京都・36歳男性)

「友達の攻略本を見せてもらった。何か助かる方法が書いてないかなと思って」(東京都・37歳)

当時は攻略本が全盛期にさしかかる頃でしたから、手っ取り早くクリアしたい人は攻略本を買っていましたね。ただ、パスワードの記録ミスをクリアする方法まで記載した攻略本はなかったはずです。個別に誤記した点を指摘するのは不可能ですから。

ゲーム雑誌の編集部に聞いてもらう

「親にゲーム雑誌の編集部に電話をかけて聞いてもらった。『それは無理。自分の記録ミスはどうしょうもない』と言われたらしい」(東京都・30歳男性)

これは相当わがままな坊ちゃんではないでしょうか。自分のミスを認めないところに芯の強さを感じます。親御さんも甘やかしてはいけませんね。当時、ゲーム雑誌の編集部には全国からいろいろなゲームについての質問電話がかかってきたそうですよ。

ゲームのパスワードをメモし損なうと、それまでの努力が全て無駄になってしまいます。そのため、当時の子どもたちは慎重にパスワードを記録しました。が、それでもやっぱり誤記は起こってしまうのです。また、今回紹介したような悪あがきが実ることはほぼ全く、100%ありませんでした。悪あがきに時間を費やすぐらいなら、さっさとその前のところからプレイ再開した方が効率的でした。でも、このような悪あがきもまた「ファミコン時代のゲームの面白さ」だったのかもしれませんね。

(高橋モータース@dcp)
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高橋モータース@dcp

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