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2018.12.08
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ファミコンの後継機として登場した『スーパーファミコン』(以下『スーファミ』)は、ファミコンよりもクオリティーが高いソフトが多く、子どもたちにも大人気でした。ただスーファミ用ソフトは高額なことが多く、1万円を超えることもしばしば。今回は、当時高価だったスーファミタイトルをご紹介します。
スーファミのソフトは約1,500タイトルが発売されましたが、他のハードに比べてソフトが高価だったというイメージがありますよね。そこで、実際にどれくらい高価だったのか、特に高価だったタイトルをランキングにまとめてみました。
スーファミの価格の高いソフトランキング
第1位 EMIT バリューセット/光栄/1万9,800円
第2位 神髄対局囲碁 碁仙人/J・ウィング/1万5,500円
第3位 早指し 二段森田将棋2/セタ/1万4,900円
第4位 スーパー三國志II/光栄/1万4,800円
同4位 提督の決断/光栄/1万4,800円
同4位 三國志III/光栄/1万4,800円
同4位 対局囲碁 ゴライアス/ビーピーエス/1万4,800円
同4位 早指し 二段森田将棋/セタ/1万4,800円
同4位 トップマネジメントII/光栄/1万4,800円
同4位 スーパー囲碁 碁王/ナグザット/1万4,800円
同4位 本格派囲碁 碁聖/タイトー/1万4,800円
同4位 三國志IV/光栄/1万4,800円
同4位 提督の決断II/光栄/1万4,800円
同4位 柏木重孝のTOP WATER BASSING/バップ/1万4,800円
同4位 将棋最強/魔法/1万4,800円
同4位 武宮正樹九段の囲碁大将/ケイエスエス/1万4,800円
同4位 対局囲碁 韋駄天/ビーピーエス/1万4,800円
同4位 林海峰九段の囲碁大道/アスク講談社/1万4,800円
※19位以下省略、順位が同じ場合は発売日順に掲載。メーカー名は当時のものです。
なんと、4位の「1万4,800円」に当たるソフトが15本もありました。4位の次は「価格の順位」としては5番目なのですが、「全体でのランキング」では19位となってしまいます。ちなみに、その19位のソフトは『描いて・作って・遊べる デザエモン』(アテナ)で、価格は1万2,900円でした。
ファミコンのころから、なんとなく「光栄(現:コーエーテクモゲームス)のソフトは高い」というイメージを持っていた人も多いでしょう。上記のランキングにも光栄のソフトが6本も入っていますので、このイメージはあながち間違いではないようです。ランキングのとおり、光栄のシミュレーションゲーム以外では、将棋や囲碁のソフトが高価でした。
次に、今となっては「タイトルだけでは内容が分かりにくい」と思われるソフトについてご紹介します。
英語学習ソフト3本のセット商品『EMIT バリューセット』
『EMIT バリューセット』は、『EMIT vol.1時の迷子』『EMIT vol.2命がけの旅』『EMIT vo.3私にさよならを』という、ゲームを楽しみながら英語学習ができる3本のソフトをまとめたセット商品です。スーファミ以外に、セガサターン版や3DO版、パソコン版が発売されました。
スーファミ版には音声CDと「ボイサーくん」というアダプターが付属していました。「ボイサーくん」をスーファミに装着すると、CDプレーヤーをリモコン制御できるようになり、場面に合った音声をCDから流す仕掛けになっていました。なお、それぞれのソフトを単品で購入する場合、ボイサーくんが付属しない通常版と、ボイサーくんが付属する「withボイサーくん」のどちらかを選択できました。
パソコンメーカーの経営をシミュレート『トップマネジメントII』
光栄といえば『信長の野望』や『三國志』などの歴史シミュレーションが有名ですが、本作はパソコンメーカーを経営し、業界ナンバーワンを目指すという経営シミュレーションゲームです。新製品の開発、生産ラインの管理、広告宣伝、人材管理など、会社経営に関する指示を行います。
この『トップマネジメントII』に限らず、「光栄のソフトは値段が高い」というイメージを持っている人が多いですよね。このことについて、かつてプロデューサーのシブサワ・コウ氏は「ソフトの価値にふさわしい値段を付けている」と語ったそうです。確かに光栄のソフトはデータ量も多そうですし、ゲーム内容も凝っているものが多いですね。
柏木重孝さんとの対決も楽しめる!『柏木重孝のTOP WATER BASSING』
『柏木重孝のTOP WATER BASSING』は、バスフィッシングの世界で第一人者と呼ばれる柏木重孝さんが監修している釣りゲームで、芦ノ湖でのバス釣りを楽しめます。第一人者が監修しているだけあって細部まで作り込まれ、臨場感たっぷりのゲームでした。
ファミコンやスーファミのタイトルには、芸能人や各界の著名人が関っていることを売りにしたゲームがたくさんありました。そのようなタイトルで価格が高いケースも見られましたが、ライセンス料の分だけ高くなったのかもしれません。
今回ランキングに入らなかったソフトでも、スーファミのソフトは1万円近いことがほとんどでした。これには以下のような理由があったと考えられています。
ROMの値段が高かった
スーファミのソフトは記憶媒体がROMカセットでしたが、任天堂がサードパーティーにROMを卸す時点ですでに高額だったそうです。スーファミ用のROMが国内生産で、しかも不足気味だったため卸価格が高価になったといわれています。
また、スーファミのソフトには、スピードアップやビジュアル・サウンド面の強化のためにメーカーが独自のチップを組み込むことも珍しくありませんでした。チップも高価でしたから、これもソフトの値段が上がってしまう原因になったと考えられます。
開発費がかかった
スーファミのソフトはファミコンやゲームボーイのソフトに比べて全体的にボリュームがあり、音楽やグラフィックも凝っていました。一般的に、大勢の人が関われば開発費もたくさん必要になります。開発の人件費が膨らんだため、ソフトの値段も高くなったと考えられます。
スーファミのソフトはファミコンやゲームボーイのソフトに比べて高価でした。しかしスーファミにはライバルと呼べるハードが事実上なかったので、ユーザーはその高価なゲームを買っていました。近年では基本無料の課金式ソーシャルゲームが多いので、遊び心地のわからないゲームソフトを1本1万円以上ではじめに購入するのが普通だったなんて、信じられないかもしれませんね。
(藤野晶@dcp)
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