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2018.09.04
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『キテレツ大百科』と『ドラえもん』は、どちらも藤子・F・不二雄先生の代表作といえる傑作漫画です。両作品の魅力は、作品に登場する不思議な道具にあるといえるでしょう。
『キテレツ大百科』の場合は、主人公・木手英一(キテレツ)のご先祖であるキテレツ斎さまが江戸時代に発明し、「奇天烈大百科」にまとめた発明品。キテレツくんは、この本を元に現代に発明品をよみがえらせます。一方の『ドラえもん』のひみつ道具は22世紀の未来産のもの。
実は両作には、似た機能を持つ道具がたくさん登場するのです。そのうちの代表的なものを以下に挙げてみましょう。
時空を往き来できる機械、いわゆるタイムマシン。『キテレツ大百科』では「航時機」ですが、『ドラえもん』ではそのものずばりの「タイムマシン」。ドラえもんのタイムマシンは、時空間を飛び、指定した時間・空間にタイムホールを開けてアクセスしますが、航時機はそれ自体が空間を自由に飛び回る機能を持っています。見た目がウッディーなのも航時機の特徴です。
「脱時機」は時間を止めることができる機械で、時間を止めた人は時間の流れの外に存在します。キテレツくんは受験勉強で大変な勉三に休息を取ってもらうために脱時機を使いました。ドラえもんでこの機能を持つ道具が「タンマウオッチ」です。時間の進み方を変化させる「狂時機(マッドウオッチ)」にも時間を止める機能があります。
「回古鏡」は時間を超えて過去のその場所の写真を撮影できるカメラ。ドラえもんに登場する「タイムカメラ」も同様の機能を持っていますが、タイムカメラの方は実際に時間を超えて移動し、そこから写真を伝送します。タイムカメラは『バケルくん』とのコラボ長編「ぼく、桃太郎のなんなのさ」で大活躍しました。
「昇月紗」は2枚の布の角度を調整することで重力を0Gから1Gの間で調節できるという道具です。また、ひみつ道具ではないですが、大長編ドラえもん『のび太の宇宙開拓史』には、結晶の軸をずらすことで重力制御ができる「ガルタイト鉱石」が登場します。
「分身機」は、分子に揺さぶりをかけて分子をひとつおきに取り出し、見た目がそっくりな物をもう一つ作るという道具です(ただし目方は半分になる)。ドラえもんにも全く同じ機能を持つ「分身ハンマー」という道具が登場します。トンカチ状の道具で、これで頭を「コチン」とやると分身が作れるのです。
「一寸法師」は、小さな侍ですが頼りになるボディーガードロボットです。打ち出のマイクに命令すれば襲ってくる悪い奴をやっつけてくれます。ドラえもんには10円でターゲットを3回転ばせてくれる「ころばし屋」というロボットが登場します。
ちなみに『キテレツ大百科』には、御用提灯みたいな形をした正義の執行人「召し捕り人」や、けがはさせませんが刀で切られると心から痛い「唐倶利武者」というロボットたちも登場します。
「如意光」は、物体を大きくしたり小さくしたりする光を発する懐中電灯のような道具です。赤ボタンを押して出る光で小さくし、青ボタンを押して出る光で大きくできます。ドラえもんに登場する「ビッグライト」と「スモールライト」もこの如意光と似たような機能を持っています。
庭に子どもだけの町を造ろうとキテレツくんが用意したのが「こども町正門」と書かれたゲートです。これをくぐると体が小さくなります。また、「こども町正門」と全く同じ機能を持つのがドラえもんに登場する「ガリバートンネル」です。元に戻るときは、出口から入って入り口に戻ればいい、という点も同じです。
「念力帽」は、かぶるだけで「念動力」が使えるようになるという帽子です。ドラえもんに登場する「エスパーぼうし」も、かぶると念力・瞬間移動・透視の3つの超能力を使えるようになります。
他にも、「潜地球」(キテレツ大百科)と「原子力潜水艦型ゼンマイ式潜地艦」(ドラえもん)などなど、両作品には似た機能を持つ道具がたくさんあります。キテレツ斎さまが江戸時代に発明したものと、22世紀の未来産の道具が似ているというのが非常に興味深い点で、「人間の想像力は昔も今も変わらないよ」という藤子・F・不二雄先生のメッセージが込められているのかもしれませんね。
(高橋モータース@dcp)
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