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デートやキスはセーフ!? 法律から見る「不倫・浮気」のボーダーライン

「健やかなるときも、病めるときも」あの日の誓いを忘れずに。

「健やかなるときも、病めるときも」あの日の誓いを忘れずに。

2017年02月28日(火)  読了時間:約5分
 今や男女を問わず珍しくなくなった不倫や浮気。「誰でもやってるじゃない?」と開き直るのは簡単ですが、独身の頃のような軽い気持ちで夫や妻以外の人との恋愛に走ると、想像以上の手痛いしっぺ返しがくることもあります。

 「下心ありで食事に行ったら不倫なの?」「1回だけの浮気だったら大丈夫?」など、尽きることのない素人の疑問。法律から見た不倫(浮気)のボーダーラインを、弁護士・佐藤大和さんにお聞きしました。


デートやキスでは不貞行為にはならないが…


「そもそも夫婦には『貞操を守る義務』が法律で定められています。つまり『結婚したら浮気しちゃダメ』ということ。その法律に反して、夫や妻以外の人と自分の意志で関係を持つことを、法律上では不倫や浮気という言葉ではなく、『不貞行為』と呼びます。夫婦の一方が離婚の訴えを起こせる条件として、民法770条1項1号に『配偶者に不貞な行為があったとき』とあります。不貞行為とは、男女間の性交渉つまり肉体関係にまで至った場合なので、デートやキス程度では不貞行為とはみなされません」(弁護士・佐藤さん)

 意外とゆるいように感じる浮気の定義。しかし、

「どんなにプラトニックな関係でも、その夫ないし妻がショックから、こんなひどい人とは結婚していられないと思って夫婦関係が破綻すれば、『婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(民法770条第1項第5号)』にあてはまり、離婚を認める事由になり得ます」(同)

 つまり、不貞ではないから離婚にはならない、と単純に割り切れる訳ではなさそうです。


微妙な線引きを、実際のケースで検証!


・酔った勢いで一度だけ他の人と肉体関係を持ってしまった!
「一回でも肉体関係を持ってしまった以上、不貞行為となります。もっとも、夫や妻の浮気を離婚の理由にするためには、反復した不貞行為、つまり浮気相手との継続した関係を証明しなくてはいけません。実際の裁判でも、一回限りの不貞行為が認められるからといって直ちに離婚が認められるというわけではなく、『婚姻を継続し難い重大な事由』に該当すると言えるかどうかがポイントになってきます」(同)

・シティホテルやビジネスホテルの部屋に入って、3時間以上出てこない
「『話をしていた』『肉体関係はない』と言い切られたら立証できないので、不貞行為にはなりません。ただしこれが宿泊した場合や、ラブホテルだった場合は、言い逃れできない状況とみなされ不貞行為(浮気)と判断される可能性は高いでしょう(民法770条1項1号)」(同)

・風俗通いが大好きな夫。これは不貞行為じゃないの?
「風俗通い自体を不貞行為とすることはできませんが、止めてほしいと何度話し合っても直らない場合『婚姻を継続し難い事由』(民法770条1項5号)にあてはまり、離婚請求ができる場合があります。また、相手の風俗嬢が夫をお客さんとみなしている場合は、慰謝料請求は難しいですが、プライベートで夫と肉体関係を持っている場合は不貞行為とみなされ、相手に対して慰謝料請求も可能です」(同)

・夫が浮気したから、私も浮気した
「理由がどうであれ、自分も浮気=不貞行為をしたことに変わりありません。双方で不貞行為があったうえで離婚をする場合、どちらが最初に不貞行為をしたといった、双方の責任が比較考慮されます。つまり、『主にどちらに責任があったのか』ということを決めることになると思います」(同)


離婚の慰謝料は100〜300万円程度


 最終的に離婚の訴えが認められ、請求するということになった場合、一体いくら位もらえるものなのでしょう。

「離婚の慰謝料は、自分が受けた精神的苦痛に対する損害賠償です。多くの場合100~300万円程度。最近では、不倫相手にも請求をするケースも増えているので、併せて400万円位でしょうか。1,000万円を超えるような高額慰謝料は普通の勤め人から取ることは非現実的です。また、浮気の興信所費用が高くつき、慰謝料から足が出るなんてこともあるので要注意です」(同)

 では実際の離婚協議の際、気を付けることはあるでしょうか。

「話し合いの協議離婚、家庭裁判所における調停離婚、訴訟までもつれ込む裁判離婚と、離婚にもプロセスがあります。話し合いの場面では感情的にならず、スムーズに話を進めたいもの。裁判離婚になれば、浮気相手とのメールや通話記録などの証拠が重要になるので、できるだけ沢山集めておきましょう」(同)

 夫や妻以外の人とのデートをしても「肉体関係がないからOK」と考えるのは性急です。「法律」と「人の気持ち」はいつも同じラインで線引きができるとは限りません。この人だと思って結婚をした以上、2人で幸せな家庭を築けるよう努力をしたいものです。
(元井朋子/サイドランチ)
識者紹介
佐藤大和
東京弁護士会所属。

三重大学人文学部卒業後、立命館大学法科大学院にて法律を学ぶ。弁護士を明確に目指し始めたのは、大学3年生の初め頃。ボランティアサークル部長としてのボランティア活動がきっかけ。弁護士としての信念は『「人の笑顔」と「つながり」を守ること』。親しみやすい人柄から、テレビやラジオ、雑誌などメディア出演でも人気を呼んでいる。

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