ヒトメボ

コラムニスト

菊池美佳子

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読了時間:約5分

 先輩社員やおじさま方から、ふと発せられる「下ネタ」。悪気はないのかもしれませんが、まともに返しても全力で嫌がっても微妙…。場を荒立てず冷まさず、小気味いい返しで避ける方法はないのでしょうか?

「セクハラに対する世間の目が厳しくなった昨今、下ネタを言う上司はもはや過去の産物であり、男性側も『下ネタのつもりではない雑談が、下ネタと解釈されたらどうしよう』という恐怖に脅かされている時代です。とはいえ、一部にはまだ昭和の名残といいますか…下ネタを言って悦ぶ男性も存在するのでしょう」

 とは、恋愛コラムニストの菊池美佳子さん。キャバクラ嬢経験者である菊池さんは、これまでにも数々の下ネタ攻撃を経験してきたことと思いますが…そもそも、どうして男性は女性に下ネタを振ってくるのでしょうか?

「理由は人それぞれですが、悪意はなく『場を和ませよう』という意図で言う男性が多いでしょう。人の悪口と下ネタって、不思議と盛り上がるネタなんですよね。しかし、職場や飲み会で堂々と誰かの悪口を言うわけにもいかないでしょうから、下ネタに走るケースが多くなるのだと思います」(菊池さん)

 相手に悪気はないとしても、しつこい絡み方や過激な内容の下ネタは避けて頂きたいもの。そこで、不快なセクハラや過激な下ネタに遭遇したときの対処法について聞いてみました!

【シーン1】社内でコピーをとっている最中、近くにいた上司がニヤニヤしながら一言。

「○○さんは本当に脚がキレイだねぇ〜。触りたくなるね〜」

「こうした直接的な発言には、『ありがとうございます』の一言を返すだけで十分です。つまり『脚がきれいだね』という部分だけに反応し、『触りたくなる』は、聞こえなかったことにするのです。もっと毅然とした対応をとるべきと思うかもしれませんが、上司はコミュニケーションの一環としてあなたを褒めようとしたのかもしれません。しかし、日本人男性はイタリア人のように女性を褒めることに慣れていないので、照れ臭い。そこで、ギャグとして『触りたくなる』と付け加えているのかもしれません。『褒めるなら、脚ではなく仕事ぶりを褒めるべきでしょ!?』と思うかもしれませんが、上司側は、仕事の話しかしないつまらない堅物だと思われないように、との意図があったのかもしれませんよ。

別のかわしかたをするのなら、『はるな愛ちゃんやIKKOさんも美脚ですよね』など、オネエタレントの話題にすり替えてみては? 話題の矛先を『女性』から『オネエ』に移すことで、上司のスケベ心が萎える効果が期待できます」(同)

【シーン2】飲み会にて、酔っぱらった部長からのキワドい質問。

「彼氏とは昨日の夜何回したの?」「どんな体位が好きなの?」

「合コンで『何歳?』と聞かれ『何歳に見える?』と聞くのはNGというように、恋愛では、質問に質問で返す女性はタブーとされていますよね。それを応用して、むしろ質問返しする作戦はいかがでしょうか? 第一声は、『じつは私も○○部長に聞きたいことがあるんです!』で。続けて、『最近ゴルフを始めたんですけど〜』『昨年クルマを買ったんですけど〜』など、上司の趣味に合わせた話題に置き換えましょう。このとき、仕事の質問など持ち出すのは無粋です。上司にとって下ネタ以上に楽しい話題を提供することで、角を立てずにかわせるはず」(同)

【シーン3】居酒屋にて、カルピスサワーを飲んでいたときの同僚からのフリ。

「あれー? 何飲んでるの〜? 白いね(笑)?」

「『○○さんは今日あんまり飲んでいないですね?』など、『飲み物が何なのか?』という話題から『飲んでいるか飲んでいないか』に話題をすり替えましょう。特に上司世代は、宴席において、ガンガン飲んでいるか飲んでいないかという話題を鉄板トークと思っている人が多いです。よって、飲んでいないと指摘されると、『飲んでいるよ!』とムキになって返してくる傾向が強く、そこから自然と話題が『お酒』に切り替わるでしょう」(同)

 実際に遭遇しがちなシーンを例に下ネタへの対処法を教えてもらいましたが…明らかにアウトなセクハラもありますよね!? 私だったらダメです…。それでも真正面から「やめてください!」や「見損ないました」などのセリフを吐かずに、上手にその場をやり過ごすことが大事なのでしょうか?

「こういったシーンでは、本気でキレるのだけは控えたほうが無難でしょう。社会人ならば、仕事のスキルだけでなくコミュニケーション能力も備えていたいもの。いきなりマジギレするのは、『冗談も通じない面白くないやつ』というレッテルを貼られる原因にもなります。『女性に向かって下ネタなんて許せない』とオンナを振りかざす前に、まずは社会人としてやってはいけない対応、という考え方を忘れずに冷静に対処してくださいね」(同)

 言われていい気分はしなくても、広い心を持って対応するのが賢い大人ということですね。女性のみなさん、今後の下ネタ回避テクの参考にしてみてください!

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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