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カウンセリングサービス所属カウンセラー

今井美緒子

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 恋人として付き合ってた頃は男性が主導権を握っていたのに、結婚や出産を境に立場が逆転して女性のほうが強くなる…。そんな話をよく耳にしますよね。これってどうしてなんでしょうか? 心理カウンセラーの今井美緒子さんに分析していただきました。

安心感によって遠慮や気遣いが無用に?

「大きな理由として考えられるのは、恋人から家族になることで生まれる『安心感』。家族になると2人の距離がさらに近くなり、遠慮や気遣いが減っていきますよね。恋人同士だった頃は隠しておけたことも、毎日一緒に生活していると難しくなります。それだけ2人が親密になってきたと解釈できると思いますよ」(今井さん)

 恋人同士のときと比べて安易な別れのリスクも減りますしね。それまでは猫をかぶっていたと考えるとちょっと恐ろしい気もしますが……。

知らず知らず母と子のような関係に変化することも

「結婚して家庭を持つと、家族を守るという責任が生まれます。女性は、家計の管理や家事、働いている人は仕事、そのすべてを効率良くこなさなければなりません。さらに子供ができると、夫婦2人だけの生活から子供中心の生活へと変化します。子育ての中心は大抵女性ですから、女性の意見で家族の方針が決まっていく機会が多くなるのではないでしょうか? そのような生活の変化により、女性が本来持っている芯の強さが表に出てくるのだと思います。

 また、結婚して料理や洗濯をしてもらったり、子供ができて妻が母親になることで、男性は妻に母親の役割を求める部分が大きくなっていきます。そのため、いつのまにか夫・妻の関係ではなく、母と子のような関係になって、知らず知らずのうちに主導権が妻に移ってしまっていた…ということもしばしばあります。男性は基本的に母親に頭が上がらない部分がありますから、同じように、つい言う通りにしてしまうところもあるかもしれませんね」(同)

 男性が妻のことを「お母さん・ママ」なんて呼ぶことがありますが、いつのまにか、本当にそう思うようになっていたりもするんですね。

イライラ状態の奥さんに逆らうのは怖い?

「子育て中の女性は自由時間があまりとれないので、ストレスを溜めがち。なかでも小さいお子さんを子育て中のときは、家族や親戚以外の人と接する機会が極端に減っていきます。そんなときストレスの矛先がご主人に向けられることが多くあります。イライラしている状態の奥さんに逆らうことは、男性にとってはとても怖いことですので、望みを聞いているうちに主導権が入れ替わってしまった、ということもあるかもしれませんね」(同)

 生活が一変する訳ですから、恋人だったころの関係を維持し続けるのはなかなか難しいですよね。ところで、結婚してから「怖い奥さん」になるタイプの女性って付き合っている時点で分からないものでしょうか?

ストレスを溜めやすい女性、こうあってほしいという欲求が強い女性はご注意!

「ヒステリーを起こして彼にぶつけるようなストレスを溜めやすい女性や、彼に対して『◯◯してほしい、彼には△△であってほしい』などの欲求が強い女性は、その欲求が果たされないとき、水面下で怒りを溜めてしまうことが少なくありません。そういう女性は怖い奥さんになりやすいですね。ただ、結婚後のご主人の態度次第で、どんな女性も怖い奥さんになる可能性は十分にあるのですよ」(同)

 ええっ! 主導権についてはこの際、放棄しますが、どうすれば良好な関係を維持できるのでしょう?

「一番やってはいけないのは、奥さんが不満や怒りを抱えて感情的になっているときに、理屈で返したり面倒くさいという理由で目を背けたり、怖いという理由で逃げてしまうことです。毎日家事や子育てを頑張っている奥さんに『怖い』と思って接していたら、かわいく振る舞えなくなってしまいます。

ですから、たまには奥さんを一家の『お母さん』としてではなく、『ひとりのかわいい女性』として大切に扱ってあげましょう。そうすることで、本来の女性らしさを表現する場を持て、母性に女性特有の柔らかさがプラスされて、もっと魅力的な女性に変化していきますよ」(同)

 もともとそんな関係性だったり、変わってしまったあとの関係性も楽しめているのならいいですが、「結婚して立場が逆転してしまった…」とお嘆きの方、怖くて結婚に踏み出せないなんて方がいらっしゃいましたら、今回のコラムを参考にしてみてくださいね。

(冨手公嘉/verb)
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ライター

冨手公嘉

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