ヒトメボ

ライフアドバイザー

永瀬久嗣

  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク
  • コメント入力フォームに移動する
  • 評価フォームに移動する
読了時間:約4分

 最近、親子ほど年齢差のあるカップルの話をよく聞きますよね。なぜ今、年の差カップルが増えているのでしょう? 「それは現代の日本社会の構造の変化が、男女の意識に様々な変化をもたらしているためです」と、教えてくれたのは恋愛コラムニストの永瀬久嗣さん。具体的にどんなことが背景として考えられるのでしょうか?

男女の精神年齢差の広がり

「ひとつは女性の社会進出が進んだことにより、精神年齢が以前よりもさらに高くなったことでしょう。昔から、女性のほうが男性よりも精神年齢の成熟が早いと言われていますが、女性が社会で活躍する場が増えるにつれ、精神成熟に拍車がかかったと言えます。それにより、同年代の男性がこれまで以上に子供に見えてしまうほど精神年齢のギャップが生じているのだと思います。すると、女性達が精神的に頼れるパートナーを探すとなると、必然的に年上の男性になりますよね」(同)

 働きはじめだとまだまだ精神的な余裕もありませんしね。

若い男性の経済力の低下

「また、バブル崩壊以降、若い男性の経済力がかなり低下していることもあります。結婚して家庭に入りたいと思う女性は、相手の男性の『経済力』を重視します。若い男性よりも金銭的に余裕のある年の離れた男性に、経済的魅力を感じる女性も増えているのでしょう。一方で、貯金が貯まっているバリバリのキャリアウーマンと若い男性が結婚する例も起こりやすくなっているのだと思います。それがそのまま、年の差カップルを増やしている理由と考えられるでしょう」(同)

 たしかに、経済的な安定は同年代の異性には求めにくい年上ならではの魅力です。

世代間ギャップの低下

「SNSなどのコミュニケーションツールの発達により幅広い年代の人と交流しやすくなり、世代間のジェネレーションギャップを感じづらくなってきていること。そして、アンチエイジング商品の広がりや発達により、肉体的にも年齢を感じさせない人たちが増えていることも背景として考えられます。男女ともに、年齢が多少高くても、心がけ次第で若々しくいられる時代になってきたのでしょう」(同)

 なるほど。外見にも内面にも年齢差を感じなければ、恋愛対象となるのは当然かもしれません。

男性の晩婚思考と女性の早婚思考の高まり

「以前は20代のうちに結婚して身を固めることが美徳とされていましたが、若いうちは許す限り一人気ままに過ごして、30才を超えてから結婚を…と考える男性が増えていることも、大きな理由でしょう。また、男性と肩を並べてキャリアを積む女性が増える一方で、早期退職して家庭に入ることを理想とする女性も増えています。つまり、両者のタイプの二極化現象が起きているのです。そうなると必然的に年の差婚が起こりやすくなりますよね」(同)

 こうした男女の結婚観の変化によって、「年の差カップル」に対する抵抗感は薄れているのでしょうね。ところで、年齢が離れていることでどのようなメリット・デメリットが考えられるでしょうか?

年の差カップルのメリット・デメリットとは?

「年の差カップルの避けられないデメリットは、年上側が先に亡くなってしまう可能性が非常に高いということ。また、世代が異なるぶん、子供の教育方針などで意見が食い違いやすいと言えます。とはいえ、『人生経験の厚み』と『若さ』という、お互いが持ち合わせていない部分をどちらかが持っているため、上手に相手の足りない部分を補いあったり、支え合ったりできるのは同年代カップルとの大きな違い。これがメリットと言えるでしょう。ケンカになりそうな場面でも、精神的に大人な年上側の人が、相手をたしなめてくれ、回避しやすいという側面もあります。いずれにしても、今の時代にフィットした恋愛模様だと言えますね」(同)

 必ずしもメリットだけではないけれど、年の差カップルは経済的問題の回避をはじめ、お互いが支えあう関係になりやすいんですね。恋愛の価値観は時代背景にも大きく影響を受けていることがよく分かりました!

(冨手公嘉/verb)
  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク

評価

ハートをクリックして評価してね

評価する

コメント

性別

0/400

comments

すべて見る >

ライター

冨手公嘉

verb

あわせて読みたい