ヒトメボ

  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク
  • コメント入力フォームに移動する
  • 評価フォームに移動する
読了時間:約6分

 最近よく耳にする「こじらせ女子」という言葉ですが、2013年に出版された「女子をこじらせて」(雨宮まみ)をきっかけに急速に広まったもの。そして、この秋、そんなこじらせ女子が主人公の映画「さまよう小指」(竹葉リサ監督)が公開されます。竹葉リサ監督は自身にとって初の長編映画となる当作品で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014においてグランプリを受賞。

 いったい「こじらせ女子」って? そこで、さる9月8日、下北沢B&Bにて開催された本作の公開記念トークイベントに潜入。司会進行役にフリー素材モデルの大川竜弥さん、ゲストは自他ともに認める“こじらせ女子”ライター・イラストレーターのシマヅさん、料理研究家のオガワチエコさん、フリーライター・婚活アナリストの古田ラジオさん、女豹作家の島田佳奈さん、元ナンバー1ホステスでタレントの神室舞衣さん、そして竹葉リサ監督。各界で活躍中のこじらせ生物学者が集ったトークイベントで語られた「こじらせ女子」の実態とは…?

●自己評価が低いのに承認欲求が高い

「こじらせ女子って『自己評価が低い』のに『承認欲求が高い』っていう性質が根っこにありますよね」(島田さん)

●自分は実はセンスがいいんだよと表明したい

「こじらせ女子の男性版って非モテ男子だと思うんです」

「こじらせっていうのはモテるモテないはあまり関係なくて、実はセンスの問題なんですよね。自分は今モテないけど、実はセンスがいいんだよっていう表明がこじらせとか非モテっていうことかと」(古田さん)

●客観的にみてモテていても否定する

「いわゆるサブカル系? 一般ウケじゃなくてマイワールドに生きてるっていうような。本人が客観的にみてモテてるモテてないじゃなくて、実際にはモテてる人もいるんだけど本人が気づいてないから真っ向から否定しちゃうっていうような。あいつモテてんじゃんってなっても『イヤイヤイヤ…』っていう。それでこじれちゃうのかなって」(島田さん)

●婚活には不向き

「婚活的な視点でいうと、こじらせは邪魔になるので直したほうがいい」(古田さん)

「それ(こじらせている私)を愛してくれる男性が見つかればいいですけど、それって傲慢じゃないですか?メンドクサイ女が好きな男って、絶対数として多くないと思う」(島田さん)

●モテないわけじゃない。モテたい男にはモテないだけ

「こじらせ女子って30代くらいが多いんですけど、周りの同世代が結婚しはじめ、私は彼氏すらいない、好きな人はいるけど好きな人には愛されない、絶対ナシと思ってる圏外の男子は寄ってきてウザい…みたいな状況がややこしさを生じさせてる」

「全然モテないわけじゃないんだよ、モテたい男にはモテないだけで」(島田さん)

●もう何もできない! みたいになる。自己肯定感が生まれるまで解消しない

「こじらせは治さなくてもいい気がするんですけど、幸福度が低そうなのはちょっとよくないなって気がしていて」(竹葉さん)

「こじらせって結婚したからって卒業できるわけじゃないんですよね。自己肯定感が生まれなければずっとこじらせてる」(島田さん)

「こじらせって恋愛だけじゃないんですよね。私はデブをこじらせているんですけど、私が飲み会とかで食べてると『やっぱ食べるんだな』って思われてるんじゃないかとか、食べないと『デブのくせして食べないんだな』って思われてるんじゃないかとか、もう何もできない!みたいになるのがデブをこじらせてると思う。でも痩せたからと言ってこじらせが解消されるとも思わないんです」(オガワさん)

<以上、トークイベントのコメントを順不同で抜粋>

(画像キャプ)

上段左から、大川竜弥さん、シマヅさん、オガワチエコさん、古田ラジオさん、下段左から島田佳奈さん、竹葉リサ監督、神室舞衣さん

 トークイベントの後半では、竹葉監督のこじらせを解消するための自己肯定はどこでできるのかという問いかけに、「自覚が生まれないと肯定できるステップに進めない」と、島田さんがピシャリ。

 “こじらせ”って、傍から見るとなんだか生きづらそうですが、そんな愛情をこじらせた人たちの純情やバイオレンスを、キッチュでポップな世界観で描いた作品『さまよう小指』。この作品を観たとき、自分にもハッと思いあたることがあるかもしれませんよ?

◆作品情報

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014

グランプリ/シネガー・アワード受賞

タイトル:さまよう小指

★2014年9月14日(日)〜9月26日(金) 期間限定レイトショー

配給:S・D・P

(C)Team The Pinkie

<STORY>

5歳で出会った初恋の人・涼介(小澤亮太)に振られ続けてもサイボーグみたいにヘコたれない、ブスで超恋愛至上主義の桃子(我妻三輪子)。想いと勢い余って涼介の実家を全焼させてしまい絶縁されていたが、月日が経ったある日、涼介がヤクザの笹神(津田寛治)に切られた小指を偶然拾うと、本人に黙ってクローンを作ってしまう。生まれてきたクローンを「小指」と命名し、穏やかに愛を育んでいくが、「小指」の存在を本体である涼介に知られたことで「もともと俺の小指だから返せ」と、取り上げられてしまうのだった。楽をするために「小指」をコキ使っていた涼介だが、元恋人・真奈美(末永遥)がヤクザに殺されたことで事件に巻き込まれていく。桃子の積年の片思いを知る「小指」は、愛の復讐に向かう本体・涼介を彼女のために生かし守ろうと、身代わりとなってヤクザ事務所に乗り込んでいくが…。

キャスト:

小澤亮太 我妻三輪子

末永遥 かでなれおん 仁科貴 山岸門人 塩田時敏

津田寛治

監督・脚本:竹葉リサ

クリエイティブプロデューサー:蔭山周

主題歌:Andersons「Young love」

音楽:藤永健太郎

公式サイト:http://koyubi-movie.com

予告編:http://youtu.be/qRQpPtSNfRU

(坂井あやの/verb)
  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク

評価

ハートをクリックして評価してね

評価する

コメント

性別

0/400

comments

すべて見る >

ライター

坂井あやの

verb

あわせて読みたい