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2015.07.27
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ふと、恋人の頭に白髪を見つけてしまった経験はありませんか? 「まだ若いのに……」と心配になったり……。そもそも、どうして若いうちから白髪になるのでしょうか? 20~30代の白髪の原因と予防、ケアについて、国際毛髪科学研究会会長の井上哲夫先生に伺いました。
「髪の毛の黒色は、メラニン色素によるものです。メラニン色素は、メラノサイトという毛根部にある色素細胞で作られます。年をとり白髪になるのは、老化によりその細胞の働きが悪くなるからですが、若いうちから白髪になる原因としては、遺伝的な要素をのぞけば、頭皮の血行不良が考えられます。毛根部にある色素細胞には、血液よって栄養が運ばれますから、血行が悪いと必要な栄養が届かず、メラニン色素が作られなくなってしまうのです」(井上先生)
なるほど。遺伝ではない場合は血行不良が原因なんですね。ではどうして頭皮の血行が悪くなってしまうのでしょう?
「それは主に冷えとストレスが原因です。気づいていない人も多いのですが、手の指や、足の指と同じく、頭皮も人間の末梢です。手足が冷たい冷え症の人は、頭皮も冷えていると考えてください。日常的にエアコンが効いた部屋で過ごし、冷たいものを飲み、湯船につからずシャワーで済ますという生活は頭皮も冷やしています。それから、私たちは、日々、知らず知らずのうちにストレスを感じています。ストレスを感じると、交感神経が優位になり、体が緊張して固くなり、血管が収縮して血行が悪くなります。そうしたことが、髪にも影響しているのです」(同)
では、白髪にならないようにするためには、体を温め、ストレスをためないようにすればいいのでしょうか?
「そうです。冷えとストレスの解消が何より重要です。若いうちであれば、毛根の環境を良くしてあげることで、白髪の生えた毛穴からでも再び黒い毛が生えます。ですから、毛根の環境を良くする方法をお教えしましょう」(同)
日頃から、運動し、温かい食べ物を食べ、湯船につかって入浴するようにしましょう。
軽く体を動かしてさわやかに汗をかくことや自分が楽しいと思えることをするのがおすすめです。
頭皮を頭頂へ集めるようにしてマッサージをすると皮膚が伸びて柔らかくなり、血行が良くなります。
毛穴には皮脂をためないようにします。
22時から午前2時の間は、副交感神経が働き、リラックス状態になって血流が良くなります。それとともに、成長ホルモンが活性化されます。22時は無理でも、日付が変わる前には布団に入りましょう。
ホルモンが減り始める頃(女性は37歳くらい、男性は40歳くらい)から白髪が出やすくなります。ホルモンはコレステロールという油でできているので、ダイエットも大事ですが程よく肉を食べることも髪のためには必要です。肥満の原因は、肉ではなく炭水化物なのです。
毛根の栄養になるこれらが不足すると白髪になりやすいと言われています。ナッツや海藻類、根菜、貝などを積極的に取りましょう。
腎臓は髪に一番関係している臓器です。腎臓は血液を浄化する働きがあり、腎臓がうまく機能しないと髪まで栄養が行き届きません。漢方では頭髪のことを「血余」と言い、血の余りが髪を作っていると考えます。むくみやすい、寒いと体調を崩しやすい、腰がだるいなどという人は腎臓の機能が落ちている可能性があります。血液に良いとされる黒い食べ物(黒豆、黒ゴマ、ヒジキなど)を食べるといいでしょう。
普段の生活で簡単にできることばかりですね。では、生えてしまった白髪はどうすればいいのでしょうか?
「白髪が気になる場合は、根元から切って目立たなくしましょう。白髪が多い場合は、染めるのがいいでしょう。ただ、1回でしっかり染めるヘアカラーは、かなり強い薬品を使っているので、薬剤を地肌につけないようにしなければいけません。となると、自宅で染めるより、美容院でプロにやってもらったほういいですね。天然染料が配合されたヘアカラートリートメントで、何度か使うごとに髪色がついていくようなものであれば、髪にも地肌にもやさしいでしょう」(同)
実のところ、私は白髪1本くらいであれば抜いてしまうのですが……。
「白髪は決して抜いてはいけません。抜くと毛穴が傷つき変形します。変形した毛穴からは直毛ではなく、くせ毛が生えます。よく、『白髪は抜くと増える』などと言われますが、それは増えるのではなく、白髪を抜いた毛穴から再び白髪が生えてきた場合、くせ毛となり目立つので、増えたように感じるのです」(同)
そうなんですね。以後気をつけます。
最後に白髪に関する興味深い情報を教えていただきました。
「東洋医学的な観点でみると、父親が白髪の場合、長女が白髪になりやすく、母親が白髪の場合、長男が白髪になりやすいと言われています。その後は、交差して、父親が白髪の場合、次男が白髪になりやすく、母親が白髪の場合、次女が白髪になりやすい……と続きます」(同)
私の家族はまさにそうです! 友達にも聞いてみます。
井上先生曰く、若いうちの白髪は「健康に気をつけなさい」というシグナルとしての見方もできるとか。冷えやストレスなどは体のためにも髪のためにも早めに解消するようにしたいですね。
(鳴沢ことみ/コンセプト21)初出 2014/6/3
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