ヒトメボ

カウンセリングサービス所属カウンセラー

原裕輝

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読了時間:約4分

 深夜、大好きな人と思いの丈を綴ったラブメールを交わしあった。そのときは幸せな気持ちに満たされたけど、翌朝になってその内容を見返すと、こっ恥ずかしくて目も当てられない! むしろしばらく顔を合わせたくない……。心当たりのある方も多いと思いますが、これってどうしてなんでしょうか? 心理カウンセラーの原裕輝さんにお話を伺いました。

「人は、深夜に起きていると興奮状態になることがあります。いわゆる交感神経が優位な状態です。本来なら寝る前は体がリラックスした状態でなければならないのですが、深夜に起きているということは、いわば無理に体を酷使している状態。体が自然の摂理に逆らっているため、緊張し興奮状態になるのです。

すると行動が大胆になって、普段は言わないような情熱的なセリフを口にできるようになったり、恥ずかしい告白メールを送ったりしてしまうのです。ところが、朝はこの逆で副交感神経が優位になります。すると疲れがとれて頭もスッキリ冴えた状態になり、冷静な目で物事を見られるようになります。そのため、深夜に書いたラブレターやメールを客観視して『なぜこんな恥ずかしいことを…!』と、我に返るというわけですね」(原さん)

 なるほど。朝と夜では物事の判断力が大きく異なるんですね…。ほかに、別れた恋人への電話も深夜になるとやってしまいがちな行動のひとつだそう。これも、気持ちが高まり、いてもたってもいられなくなるからだとか。

深夜の大胆な心理を効果的に利用!

「一方で、深夜の心理を効果的に利用することもできます。ケネス・J・ガーデンというアメリカの心理学者が行った実験では、『暗い場所では人と人の距離が縮まりやすい』ということが実証されています。そのため、例えば夜の帰り道で急に手をつなぎたくなったり、ホテルに誘われたらなんとなくOKしてしまったり…という大胆な行動に出ることもあるのです。

もちろん、ムードのいいレストランやバーなど暗めの場所で過ごすと親密になれるという形では、プラスに応用できると思いますよ」(同)

 ふむふむ。夜の心理をきちんと恋に利用できている人もいそうですね! とはいえ、まずはやっぱり、夜の電話攻撃だったりポエティックな告白メールだったりと、後悔することを避けたいもの…。これについて注意点があれば教えてください!

夜書いて、朝送る!

「メールやラブレターは『夜書いて、朝送る』などひと工夫を。こうすれば、一度冷静な目でチェックできるはずです。ただし、夜のテンションで書いてもOKなメールと、そうではないメールがあることも頭に入れておきましょう。

デートのお誘いメールなど積極的な文章を作るのには適していますが、恋人とケンカして仲直りしたいときのメールを夜に書くと、つい感情的になってしまう傾向があります。こうしたメールは冷静な頭で書くのが安全。内容によって夜の大胆な心理をどう利用するか、うまく使い分けたほうがいいですね」(同)

 また、誰しも恥ずかしいミスをすると「やってしまった!」とネガティブに捉えがちですが、原さんいわく「深夜の大胆な行動のおかげで恋が発展することもあるかもしれないし、そうでなくとも、自分を知るきっかけになる」とのこと。

「普段は消極的でシャイな人であれば、深夜にうっかり恥ずかしいメールを送ったことで『自分の殻を破る』体験ができたことにもなります。あまりマイナスに考えず、『自分にもこんな一面があったんだ』とポジティブに捉えてみるのもアリですよ」(同)

 深夜特有の恥ずかしい行動も、それはそれで自己成長につながると考えたら気持ちも楽かも!? 朝と夜、どちらの気持ちとも上手くお付き合いして恋に活かしていきたいものですね。

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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