シングルファーザーとの恋愛がうまくいく方法。ステップ・ファミリーについての予備知識

　最近はバツイチの男女も珍しくなくなってきていますが、もし好きになった相手がシングルファーザーだとしたら、ちょっと身構えてしまうかもしれません。今回は、子連れ男性を好きになったときに役立つ、恋愛の心構えをご紹介します。

「現在、結婚するカップルの4組に1組が再婚(※1)だと言われています」と言うのは、家族問題カウンセラーの新川てるえさん。『子連れ恋愛がハッピーエンドになる本』（PHP研究所）などの著書や、母子家庭の情報サイトを主宰し、ご自身も子連れ再婚の経験者です。

　好きになった相手が「子連れ男性」だった場合、どんなアプローチをすれば恋愛がうまくいくのか教えていただきました。

(※1)総務省が発表した「人口動態調査」（9-5夫妻の初婚－再婚の組合せ別にみた年次別婚姻件数及び百分率を参照）によると、平成23年の夫妻とも再婚またはどちらか一方が再婚の割合は25.9％

http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001101888

相手が求めているのは恋人か子守か？

「男性が子どもを自分ひとりで育てているのか、実家のサポートなどがあるのか、まず知っておいたほうがいいですね。シングルファーザーが再婚したいと考えたときに、恋人を求めているというよりも、子育てや家事をやってくれる子守や家政婦役を求めている場合があるからです」（新川さん）

　純粋な恋愛感情ではないという場合も考えられるということですね。

「友人のシングルママは、彼の子どもに数回会っただけで『僕の子どもをもっとかわいがってほしい』と言われ、『あなたのことをもっと好きにならないと、先に子どもを愛せるわけない』と答えたそうですが、それが正解です」（同）

　求めている恋愛像が食い違わないためにも、最初に知っておくべきですね。

「2人の関係が進み、彼が恋人を求めていることが分かれば、女性としてできることを彼の子どもにしてあげるのもありですね。もし彼が娘さんを育てている場合、『どんな服を買ってあげたらいいか分からない』などと迷っている男親さんも多いですから、一緒に服などを選んでみてはいかがでしょうか」（同）

根拠のない自信は持たない

「自分は子ども好きだから連れ子も好きになれるだろうとか、好きな男性の子どもだから同じように愛せるだろうと思うのは危険です」（同）

　子ども好きアピールや、母性アピールは子連れ男性には有効だと思っていました…。

「継子を実子と同じように愛することは難しい、と覚悟してください。『ステップ・ファミリー』と呼ばれる子連れ再婚の家庭では、継親が継子を愛せずに罪悪感を抱いてしまうケースが多いんです。周囲からも、女性なら子どもを愛して当然という目で見られがちのため、そのプレッシャーで心が折れてしまうことも」（同）

　それでは、どんな風に相手の子どもに接したらいいのでしょうか？

「無理に母親になる必要はなく、子育てサポーターになる、という気持ちで接してみてください。私の場合は夫婦それぞれに連れ子がいますが、しつけは実親が行っています」（同）

　根拠のない自信は持たず、実子との違いを受け入れて接することが大切なんですね。

2人の信頼関係をしっかり築く

「彼との再婚を考えて早く連れ子と仲良くなろうとか、父親としての彼を見てみたいと思っても、最初から連れ子を含めたデートはしないほうがいいですね」（同）

　子連れ恋愛は、デートも子連れがいいのかなと思っていましたが、そうじゃないんですね。

「まずは2人の恋愛をじっくり育てていくことを意識し、2人きりの時間を大切にしてください。子どもを預かってもらってデートをしたり、もしくは子どもが寝た後に相手の家でおしゃべりデートをしたり。きちんと2人の恋愛感情を育てなければ、連れ子との関係や、再婚へのステップは乗り越えられません」（同）

　子連れ恋愛では話し合うべきことも多いでしょうからね。

「継母というと『シンデレラのいじわるな継母』のイメージが浸透しているからか、世間の目が厳しい場合もあります。でもそんな例はほんの一部に過ぎず、実際の継母は様々な悩みを抱えてしまうことも。だからこそ、ステップ・ファミリーの予備知識を知って乗り越えてほしいと思います」（同）

　再婚夫婦が増えている今、自分だけじゃなく友人も「ステップ・ファミリー」になるかもしれません。結婚の新しい形として知っておきましょう。

(田中結/プレスラボ)

初出 2013/5/30