ヒトメボ

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1980年代にはさまざまな個性的な「ガム」が発売されました。なかでも奇抜なデザインで話題になったのが、1983年にカネボウフーズ(現:クラシエフーズ)から発売された『黒白半分ガム』です。黒と白、2色のガムが一つにくっついたモノトーンの見た目は、当時とても斬新でした。今回は、この黒白半分ガムが誕生した経緯や当時のエピソードを、クラシエフーズ株式会社に聞いてみました。

高校生以上の「ヤング」の心をつかむために開発

ーーなぜ黒白の2色のガムを作ろうと思ったのでしょうか?

当時カネボウフーズは、ブロックタイプのフーセンガム『プレイガム』を販売していましたがターゲットは中学生以下でした。また、一般的な板ガムのターゲットはサラリーマンだったため、「若者」をターゲットとした商品がありませんでした。そこで高校生以上の「ヤング」(古い表現ですが)の心をもっとつかむ商品ができないか、という思いから「黒白半分」という商品が生まれました。

ーーヤングを狙った商品だったのですね。開発ではどういった部分にこだわったのでしょうか?

黒白半分ガムは、モノトーンのスタイリッシュで新奇性のある形状が特徴です。また、当時としては珍しかった「ブラックベリー」のフレーバーをガムの黒い部分に採用。後味に爽やかさが感じられるよう白い部分には「ヨーグルト」味を採用しました。その際、ブラックベリーガムの色を真っ黒にすることや、白と黒が均等になる形につくることを意識したのですが、これが大変だったそうです。

マチャアキをCMに起用して話題に

ーー発売当初の反響はどうだったのでしょうか?

当時、TVドラマ『西遊記』『天皇の料理番』などで俳優として活躍していた堺正章さんをCMに起用しました。BGMはビートルズの楽曲を使用。真っ黒の画面の中に堺正章さんの姿が浮かび上がる斬新な映像も話題となり、狙いどおり高校生や大学生にささるヒット商品となりました。

ーーガムの奇抜さだけでなくプロモーションも人気を後押しした要因だったのですね。

また、黒白半分ガムを食べると舌が真っ黒になってしまうのですが、これが面白いと話題になりました。「舌が真っ黒になる」という食べ物は、当時はまだ少なかったようです。

1970〜1980年代、「ガム」は子どもたちに人気のお菓子でしたが、21世紀に入りガムをかむ人が減り、大幅に市場が縮小しています。当時ガムに親しんでいた人たちに、ぜひまたガムをかんで膨らます楽しさを思い出していただきたいですね。またそのお子さんにもフーセンガムを食べていただければと思います。

ーーありがとうございました。

思い出の『黒白半分ガム』には、こうした開発の経緯があったのです。当時「ヤング」だった人の中には、実際にかんで舌が黒くなった人もいらっしゃるでしょう。今こうした個性的なガムが登場すれば、もしかすると人気になるかもしれませんね。

取材協力:クラシエフーズ株式会社

⇒『クラシエ』HP

http://www.kracie.co.jp/

(中田ボンベ@dcp)
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中田ボンベ@dcp

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