ヒトメボ

占い師

naomi

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「今週のふたご座は恋愛運いいみたいだよ」「じゃあ、合コン行かなきゃ!」

 女性のこんな会話を聞くと毎回思うことがあります。

「なぜ女性はこんなに占いが好きなのだろうか?」

 雑誌の占いはもちろんのこと、「○○の母」に占ってもらうために行列に並んだりと、女性の占いに対する興味や関心と比べ、男性には占いを敬遠しているようなイメージすらあります。思えばこれってどうしてなのでしょうか?

「昔は女性だけでなく、男性も占いを使っていました。もっとも占いが盛んだったと言われる戦国時代は、直江兼続や上杉謙信など、武将たちが戦のために占いを用いていたんですよ」

 そう教えてくれたのは、20年の歴を誇る占い師のnaomiさん。昔の男性は日常的に占いを利用していたということでしょうか?

「そうですね。日本で占いが使われ始めたとされるのは、邪馬台国の時代。卑弥呼は、幼いころから持っていた超能力を使った占いで、政治を進めていました。『神の言葉』として崇められていたんです。現在の霊感占いは、この頃の占いがルーツと言われています。その後、平安時代に入り、貴族の間で人相や夢占い、筮竹(ぜいちく)や算木(ざんぎ)といった道具を使った占いが盛んになります。鎌倉時代には、九星気学や易学、墓相、剣相などが戦に用いられていたようです。当時は、占いの結果で出陣の日にちや時間、陣を組む方角を決めたそうです」(naomiさん)

 夢占いや九星気学の歴史は長いんですね。当時の占いは貴族や武将など、上流階級のものだったようですが、庶民にまで広まったのはいつ頃なんでしょうか?

「室町時代に『足利学校』という占い学校のようなものが設立されたのをきっかけに、市民に広まったようです。江戸時代中期ごろには易者が生まれ、現在のように街中に占い師が立ち始めたのも、この頃だと考えられています。明治時代に入り、高島嘉右衛門が現在における高島歴を生み出し、現代へと続いています」(同)

 江戸時代には一般的になっていたんですね。ところで、なぜ現代の男性は占いを敬遠しがちなんでしょう?

「武将たちの頃は、戦に勝たないと生きていけない時代でした。自分の勝利のため、占いを武器や戦略として活用していたんです。つまり、『勝つための道具』だったんです。ただ、現代の日本では死ぬ気で勝たないといけない対象はないですし、いわゆる草食男子が増えているように、男性たちの『絶対勝つ!』という意欲も薄れているため、占いが必要とされないんだと思います。あと、男性は現実的なので、占いを信じきれないのも大きな理由です。そういう意味では、統計学をもとにした九星気学なら男性も受け入れやすいと思います」(同)

 ちなみに、ある職業の男性には占いを信じる人が多いそう。

「現代でも会社の経営者や政治家、スポーツ選手などは、お抱えの占い師がいる人も少なくありません。名誉や成功、勝利を掴もうとしているからでしょうね」(同)

 では女性が占い好きなのはなぜでしょう? 「名誉」や「勝利」にはあまりこだわらなさそうな気もしますが…。

「女性が占い好きなのは、精神的な満足を得たいからだと思います。占いに来た女性の多くは恋愛の悩みを抱いています。また、『いつになったら好きな人と結ばれますか?』『あの人の気持ちは私に向きますか?』など、相手の気持ちを知りたいという質問が多いんです。占いが理想の結果に導いてくれることを期待しているんですね。一種のカウンセリングと言えます。結果が信頼できるかどうかに重きを置く男性と比べ、女性は将来を託す傾向があるので、占いへの垣根が低いのでしょう。現代、女性にはタロットが人気ですが、それはカードをシャッフルできたり、引くカード次第で意味が変わったり、人の手によって運命が変えられる部分がウケているんだと思いますね」(同)

 確実な結果を求める男性と、希望の答えを出してもらおうとする女性。信じるか信じないかだけでなく、男女で占いの使い方が違うため、関心度も変わるんですね。なんだか奥が深いなぁ。

(有竹亮介/verb)
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ライター

有竹亮介

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