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2016.07.23
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2016.07.23
毎年、暑くなると夏バテをしてしまうという人もいるのではないでしょうか? せっかく恋人と夏休みの予定を立てていても、体調を崩してしまうと台無しですよね。そこで、管理栄養士・野菜ソムリエとして活躍する篠原絵里佳さんに、夏バテを予防する食事や生活面でのアドバイスを伺いました。
そもそも、どうして夏バテするのでしょうか?
「昔は、高温多湿な気候に体が適応できないことが夏バテの原因でした。しかし、最近は、クーラーを使用した屋内と暑い屋外の温度差によって自律神経が乱れることが、夏バテの大きな原因となっています。また、冷たいものを飲みすぎることで、胃液の消化酵素が薄まって食欲の低下を起こしたり、汗を多量にかくことで脱水症状や逆に水分の取りすぎで体内の水分・ミネラルバランスが悪くなり、だるさなどを引き起こします」(篠原さん・以下同)
では、夏バテを予防するにはどうすればいいのでしょうか?
「やはり、バランスの良い食事をとることが、夏バテしない丈夫な体作りにつながります。夏バテを予防する食べ物としては、良質なたんぱく質とビタミンB群が含まれているものがおすすめです」(同)
…体を作る主成分。エネルギー源としても重要な栄養素です。肉・魚・卵・乳製品・大豆・大豆製品などに含まれています。
…栄養素を体の中で働きやすくし、代謝を活性化させます。不足すると疲労回復の遅れ、肌荒れなどの症状が現れます。
夏のスタミナ食であるうなぎには、たんぱく質のほか、ビタミンB群やミネラルが豊富に含まれています。ミネラルは体の機能の働きを高めます。
たんぱく質とともに、ビタミンB1が非常に多く含まれています。ビタミンB1が不足すると「疲れが取れない」、「体がだるい」、「下半身がむくむ」などの症状がでます。糖質に偏った食事や、清涼飲料水をたくさん取るとビタミンB1が不足する傾向にあります。肉の脂身は胃腸の消化に負担がかかるので、脂身が少ない部位を選んで食べましょう。
大豆製品にはエネルギー代謝に必要なビタミンB2と良質のたんぱく質が豊富。豆腐は、木綿豆腐よりも絹豆腐がおすすめです。なぜなら、木綿豆腐は、豆腐を押し固める際に水と一緒にビタミンB2が流れ出てしまうからです。
青魚には、良質のたんぱく質とビタミンB群、ミネラルなどが豊富です。サバにはビタミンB2が多く含まれています。
汗をかくと体内のビタミンやミネラルが流れ出てしまいます。夏野菜には、ビタミンやミネラルを豊富に含むものが多く、また体を冷やす作用もあります。
毎日の食事にこれら食べ物を積極的に取り入れていきたいですね。しかし、もし夏バテしてしまった場合、食べると良いものはありますか?
ネバネバの元であるムチンには、胃腸の粘膜をうるおし保護する働きがあります。胃腸の機能が良くなれば、食べ物を消化しやすくなり、食欲も出てきます。
卵はビタミンCと食物繊維以外の体に必要な栄養素を全て含んでいます。食欲がないときは、野菜などと組み合わせるだけでバランスよく栄養を摂取できます。温泉卵や半熟卵にすると消化もいいです。
そばは、代謝を促すビタミンB1、ネバネバのとろろは胃腸を保護するムチンを含みます。夏バテに役立つ栄養を同時に取ることができ、しかも食べやすい。温泉卵や豆腐を付け加えてたんぱく質を補うと、バランスの良い食事になります。
少し夏バテぎみというときは、カレーなどスパイスが効いたものを食べるといいでしょう。スパイスは食欲を増進し、食べると汗をかいて体を冷やす作用があります。
夏バテしているときは、胃腸が弱り、免疫力も低下するため、食あたりを起こしたり、風邪をひいたりしがち。発酵食品を意識して取ると、腸内環境を整え、体を強くしてさらなる不調を防いでくれます。
「食べないと体は回復しませんから、1日3食、少量でもいいので栄養価が高いものを食べるようにしましょう。プリンなどもいいですね」(同)
食欲がないときでも、何か口にしたほうがいいのですね。
夏バテは、暑くなり始めや暑いさ中、また夏が終わって涼しくなるころにもなりがち。今日から食事や生活面に気を配って、夏バテになるのを防ぎたいですね。
(鳴沢ことみ/コンセプト21)
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