ヒトメボ

コピーライター、コラムニスト

まついゆうへい

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読了時間:約3分

 思春期にあれほど「ウザい」「キモい」と罵ったにもかかわらず、大人になってから付き合う人はなぜか父親に似ている…! そんな話をよく耳にしますよね。恋愛と父親の不思議な関係について、脳科学や恋愛心理に詳しいコラムニストのまついゆうへいさんにお話を伺いました。

「女性が父親似の男性を好きになる理由は、2つあります。ひとつは、『類似性の法則』、もうひとつは、『男性へのイメージ(レッテル)』が関係しています」(まついさん)

父親に似ている=自分に似ている! 父親のイメージ=男性のイメージ!

「『類似性の法則』とは、人は自分と似た人を好きになるという心理法則のこと。父親に似ているということは、言ってみれば自分にも似ているということなので、容姿だったり性格だったりのどこかが父親と似ている男性を自然と好きになるのです。また、女性にとって父親は初めて接する男性ですから、父親を通して男性に対するイメージを固めます。たとえば、幼少期に父親に頼りないイメージを持っていた女性は、『男性=頼りにならない』というレッテルを貼ります。すると、『自分が稼ぐから、とにかく言うことを聞いてくれる男性がいい』と考えるようになり、結果として父親と似た頼りにならない男性、いわゆる“だめんず”をパートナーに選んでしまうというわけです」(同)

 なるほど~。父親似の男性を好きになるって、ごくごく自然なことなのかも。お父さんの責任は重大ですね! でも、それが単純にいちばんのイメージなのかもしれませんが、大人になってから好きになった人に共通しているのが、子どもの頃に父親を見てて「嫌いだったところ」ってこと、よくありませんか?

それは家庭内ストックホルム症候群かも!?

「そうですね。たとえば、幼少期はギャンブル好きな父親が嫌いだったのに、大人になったら彼と競馬場でデートしている…こうした現象が起こる理由には、『家庭内ストックホルム症候群』が考えられます。この名称は、スウェーデンの首都ストックホルムで起きた人質立てこもり事件が由来。この事件では、なぜか人質が犯人に協力的な態度をとったり、事件後に犯人の一人と結婚したりしたのです」(同)

 ええ! どうしてそんな不可解な行動を…!?

「それは、命の危険にさらされた人質が、犯人に好意を示すことで生き残る可能性を高めようと無意識に判断したからだと考えられます。そしてこの家庭版が、『家庭内ストックホルム症候群』です。幼少期の自分の命を左右するのは親にほかなりませんから、ギャンブル好きな父親を持つ家庭の子どもは、自分がいくらギャンブル嫌いでも、父親を好きになろうと努力します。そして、そのような家庭で育った女性は、無意識のうちにギャンブル好きな男性を好きになってしまうのです」(同)

 そういえば筆者も、毎晩酔っ払って帰ってくる父が大嫌いでしたが、今では「お酒の飲める男性じゃなきゃ♪」なんて思ってるかも。お酒でよかったけど、ちょっと複雑…。

「父親似の男性と付き合うと、彼が父親(≒自分)に似ていることで親近感を持てたり、彼と父親が仲良くなる可能性が高いなど、色々とメリットもあるものです。幼い頃から家庭内での父親の振る舞いを見てきたことで、結婚後の彼との生活もイメージしやすくなるかもしれませんね」(同)

 将来結婚する人が父親に似ていたら…お酒を酌み交わして、ふたりでガハハと笑い合う姿を眺めるワタシ。うーん。そんなに、悪くないかも(照笑)。

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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