ヒトメボ

脚本家

今井雅子

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 カップルの破局の原因といえばやっぱり浮気。ドラマなどでもよく描かれますが、そのストーリーは「こんな浮気許せない!」なんて、視聴者の共感を呼ぶように作られているものですよね。つまり、脚本家さんは浮気を巡る男女の機微について熟知しているはず! そこで、恋愛ドラマを数多く手がける脚本家の今井雅子さんにお話を伺いました。

 さて、さっそくですが浮気された側や視聴者が「許せない!」と感じる浮気ってどんなものですか?

男は「浮気相手のスペック」を、女は「関係性の変化」を重視する!

「許せないと感じる浮気は男女で異なると思うんです。男性は浮気相手と自分を比べる傾向があって、彼女が自分よりも高スペックな男性と浮気すると許せないと感じるなと。たとえばあっちの男のほうが『足が長い』とか『髪の毛がある』とか『収入が多い』など、『アイツに負けた!』ことが許せないという側面があると思うんですよね」(今井さん)

 では、女性の場合はどうでしょうか?

「女性が重要視するのは、浮気が自分にどうはね返るか、という部分だと思うんですね。たとえば、浮気相手の女が自分の親友だったりすると、信じていた大事な親友まで失いますし、そっちのダメージも大きいですよね。あとは彼が浮気してからなんだか素敵になっちゃったパターン。自分が引き出せなかった魅力を浮気相手が引き出したと考えて激しく落ち込みます。そういった、これまでの関係性を揺るがすような浮気を許せないと感じるなと。女性の場合、浮気相手のスペックが自分より劣っていた場合は、『この人のほうが本気なんだ』と逆に納得することも」(同)

 なるほど。男女で「許せない!」と感じるポイントは異なるようです。逆に言えば、「負けた!」とならなければ、これまでの関係性でいられたなら、許される可能性もあるのかもしれませんね。さて、どういった浮気だったとしても、ドラマではふたりが元サヤに戻ることも。そこには、どんなストーリー展開が考えられるでしょうか? 

男の浮気の罪滅ぼしは、彼女のプライドをとことん満たすこと!

「男性はとにかくやってしまったことを彼女に謝る。たとえば『浮気して君の良さが分かった! もう金輪際浮気はしない』とはっきり言葉にして伝えるとか。彼女は旅行に連れて行ってもらって、これみよがしに彼のお金を使って買い物しまくるとか、『本当に私とやり直したいなら、浮気相手と会っていた時間と同じだけ時間をかけて私への手紙を書いてよ!』と迫るとか。とにかく女性側の気が済むまで好きにさせて、傷つけられたプライドを再び満たせるように努めた先に道は拓けるかなと。あとは『君が浮気しても文句は言えないね』みたいに借りを認めて、彼女を優位に立たせることで男を上げるというのもあるかもしれませんね」(同)

 彼女の失ったプライドを取り戻せるように、男性はとにかく時間やお金を使って償うわけですね。

「浮気は、ドラマよりも現実のほうがドラマティックだったりしますね。ある女性が彼と同棲している部屋に『ただいまー』と帰ってくると、彼が知らない女とベッドで寝ている現場に出くわしたそうなんです。そしたら彼が『お前、霊とか信じる? 今見てる現象、まさにそれだから! 5分だけ外で待ってて!』と言って、5分後に彼女が戻ってきたら、女は消えていて、彼がどや顔で『ほら』と。それで収まったなんて、嘘みたいなホントの話ですよね」(同)

 これは、あまりにバカバカしくてそもそもプライドが傷つかなかったということでしょうか…。では、女性が浮気してしまったときは?

女の浮気の後始末は、そもそも浮気を認めないこと!?

「女性が浮気して元に戻るストーリーというのは…。うーん、けっこう高度ですね。男性の火遊び的な浮気は、体だけで心までは許していないなんて言い訳が通ったりするけれど、女性の場合は、本気で浮気しちゃうことが多いかなと。彼に隠し通せるなら隠し通したほうがよいかもしれませんね。男は下手な嘘でも信じるし。

もし見つかっちゃった場合は、やっぱり浮気するときって相手にも落ち度があるというか、二人の関係性に浮気が入り込む「隙」があるということなので、なぜ浮気してしまったかを正直に切々と訴えることですかね。『淋しかった』とか『私がどこへも行かないように捕まえていて』とか。それで男性が女性の気持ちをくみとってあげられるなら元に戻れると思います。そういう二人を私がドラマで描くなら、浮気前よりもいい関係にしてあげたいな」(同)

 浮気される男性も悪い!? 女性の場合は、彼で満たされないものを浮気で満

たそうとする傾向があるようです。

 「浮気は絶対にしない! 絶対にダメ!」と口で言うのは簡単。でも、もしもそうなってしまったら……。起きてしまった浮気は、なかったことにはできない。それをどう受け止め、どう乗り越えるかは、あなた次第。相手との関係を作り直すきっかけにするのか、許せないからと別れるのか。自分がドラマの主人公になったつもりで現実を見つめてみると、ハッピーエンドが見つかるかもしれません。

(相川綾香/コンセプト21)
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ライター

相川綾香

コンセプト21

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