ヒトメボ

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「あ、サランラップ買わなきゃ!」

 そう言って、彼女がカゴに入れたのはクレハ社製の「クレラップ」。このように、商品名がそのアイテムの普通名称であるかのように定着していることってありますよね。そこで、「なぜか商品名で呼ばれるアレ」をピックアップして調べてみました!

食品用ラップフィルムのこと、「サランラップ」って呼んでいませんか?

 「サランラップ®」は旭化成の商品。そもそもは、ダウケミカル社(製造元)の職員の奥さん、サラさんとアンさんがピクニックで使ったことがきっかけとなり、ふたりの名前をとって名付けたそう。「クレラップ」はクレハの商品。日本で最初に発売された家庭用ラップで、社名をもじって名付けられているようです。

エアゾール式殺虫剤のこと、「キンチョール」って呼んでいませんか?

 「キンチョール」はKINCHOのロングセラー商品。1934年の発売当初は噴射式でしたが、改良を重ね、1952年に日本初のエアゾール式殺虫剤として開発されたそう。その後、エアゾール式殺虫剤は他社からも販売。「虫コロリアース」(アース製薬)、「フマキラーA ダブルジェット」(フマキラー)など。同じく「バルサン」(ライオン)も、燻煙式殺虫剤の普通名称として呼ばれがちですよね。

粘着式ゴキブリ駆除用品のこと、「ごきぶりホイホイ」って呼んでいませんか?

 「ごきぶりホイホイ」はアース製薬の商品。「ごきぶり」は平仮名です。ちなみに、粘着式ゴキブリ駆除用品には「ゴキブリ『キャッチャー』」(KINCHO)、「超強力 ゴキブリバスター」(SHIMADA)なども。

ステープラのこと、「ホッチキス」って呼んでいませんか?

 マックスはじめ文房具メーカー各社から「ホッチキス」という商品名がついたステープラが販売されています。日本で初めて販売された明治36年、特に商品の呼び名がなく、製造元の「E・H・HOTCHKISS社」の社名がボディに大きく刻印されていたことから「ホッチキス」と呼ぶようになった…とも。また、「ジョイント」(宮城県北部等)、「ガッチャンコ」(北東北等)と呼ぶ地域もあるとか。

絆創膏のこと、「カットバン」って呼んでいませんか?

 「カットバン」は祐徳薬品工業の製造・販売する医薬品の絆創膏。絆創膏は、ほかにも「バンドエイド」(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、「サビオ」(ニチバン・ライオン)、「オーキューバン」(ニチバン)、「リバテープ」(リバテープ製薬)、「キズガード」(大正製薬)などの商品があり、家庭や地域によって呼称が異なる傾向が。ちなみに筆者(東京出身)は、「バンドエイド」派でした。

ツナ缶のこと、「シーチキン」って呼んでいませんか?

 「シーチキン」は、はごろもフーズ製造・販売の商品です。鶏肉のササミのような味がするということから「シーチキン」と名付けられ、昭和33年にはごろもフーズ(当時:後藤缶詰)が商標登録したそうです。ツナ缶には他にも「いなばライトツナ」(いなば食品)「ツナフレーク」(マルハニチロ食品)などがありますね。

インキ浸透印のこと、「シャチハタ」って呼んでいませんか?

 「シャチハタ」は販売元の会社名であり、正式には「Xスタンパー」という商品名が付いています。ちなみにシャチハタという会社名は、社を構える名古屋のシンボル、名古屋城の金鯱を旗の中にあしらったことが由来とされているとか。

 そもそも「そういった商品がなかったから」という背景もあると思いますが、普通名称のように定着している商品に共通しているのは思わず口にしたくなるネーミングのリズムとキャッチーさ。企業側の意図があったか否か、これも商品名で呼んでしまう理由かもしれませんね。探せばまだまだありそうです!

(坂井あやの/verb)
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ライター

坂井あやの

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