ヒトメボ

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 子どもの頃にはまったく共感できなかった、大人が口グセのように言っていたことや、やっていたこと。いざ自分が大人になって始めて「こういうことだったのか…」と気づくことも多いのではないでしょうか。ヒトメボ読者に「大人の言ってたことは本当だった!」と実感したことを聞きました。

甘いものがひと口で十分になる

「小さい頃にソフトクリームを買うと、父親に『ひと口ちょうだい』といわれて食べられた。それがイヤで『自分の分を買えばいいのに』というと、『ひと口で十分』と言われて腹が立った。しかし、自分が30歳を超えると、その気持ちがわかるように。ひと口欲しいけど、たくさんはいらないという感覚に気づいた」(東京・32歳男性)

 何十年も経ってから、父親の言葉の意味が分かったんですね。決して嫌がらせをしていたわけではないという事実が判明して、お父さんも一安心なのではないでしょうか。

涙もろくなる

「年齢を重ねて涙もろくなるなんて、自分はないと思ってた。しかし、めったに泣かない自分が、友達と映画を見ていたら泣きそうに…。『このままだと友達の前で泣いてしまう』と焦ったけれど、同時に『涙もろくなるってこのことか』とひらめいた」(新潟・34歳男性)

 これは筆者もよく分かります。綺麗な夕焼けの中を、好きな音楽を聴いているだけでジンワリくることさえあります。感情のひだが多くなったということなのかもしれません。

落ち着いた趣味になる

「20代の頃は、クラブやアウトドアでガンガン遊んでいたけれど、30歳を過ぎたら徐々にそういうものに興味がなくなってきた。体力はあるけど、カフェで本を読んだり、音楽を聴いたりしてゆったり過ごすのがこの上なく幸せになった」(愛知・35歳女性)

 たとえば「ひなたぼっこ」も、昔は退屈でしかありませんでしたが、今では至福の時間に感じそうですものね。

親孝行したくなる

「親とはあまり話さず、自由奔放に過ごしてきた自分。しかし、30歳に差し掛かったある日、急に『親も歳をとったなあ』と感じた。そしてその時、猛烈に親孝行がしたくなった。若い頃、大人から『親孝行したほうがいい』と口を揃えて言われてきたが、こういうことかと思った」(神奈川・40歳男性)

 いつまでも子どもの気持ちで接していることもありますが、確実にみんな歳を重ねているんですよね。「孝行のしたい時分に親はなし」とも言いますし、なるべく早く実感したいことかもしれません。

勉強したくなる

「毎日毎日『後から困るから勉強しろ』と言われるのが嫌だった。『勉強は楽しい』と言われても勉強させたくて言っている、何の役にも立たないと思っていた。けど就職にも響いたし学歴の高い同僚はどんどん出世していくしで、たしかに困って後悔している。なにより今はもっと勉強してもっと学びたい気持ちが強い」(滋賀・40歳男性)

 子どもの頃にはあった、自分だけは何とかなりそうな万能感も大人になると薄れていくもの。勉強の面白さがもっと早くに分かれば苦労はないのですが、なかなか難しいですよね。

新しい歌に興味がなくなる

「学生時代は、毎日のようにCDを借りて、最新の音楽を取り入れていた。しかし、20代後半から新しい曲に惹かれなくなり、昔の歌ばかり聞くように。『この時代はよかったなあ』と思っている自分を俯瞰して、昔の親の姿とダブった」(東京・37歳女性)

 最近の歌がどれも似たように聞こえたり、曲を覚えられなかったり…。もしかすると、その感覚のほうが一般的なのかもしれません。

脂っぽいものが食べられなくなる

「若い頃、脂身のある肉をガツガツ食べているだけで『若いなあ』と羨ましがられた。『10年後にはそんなに食べられなくなる』といわれたが、これだけ肉好きの自分は絶対大丈夫と思った。しかし35歳になって焼肉屋に行くと、肉は最初の数枚で満足してくる。そしてサラダのうまさが分かって、『こういうことか』と理解した」(長野・35歳男性)

 肉を食べる量はグッと減りますよね。なかには変わらない人もいるかもしれませんが、同世代で集まると「最近食べられなくなったよね」という話で盛り上がります。

友達と会わなくなる

「中学や高校、大学の時は、それぞれの年代の友達と定期的に遊んでいた。その状態が一生続くと思っていたけど、父親に聞くと『だんだん会わなくなるんだよなあ』といっていた。そして、自分も社会人10年目になると、だんだん友達と会わなくなってきた。会いたくないわけでなく、みんな環境が変わって会えなくなる。それを痛感したときに親の言葉を思い出した」(長野・32歳女性)

 家族ができたり仕事が忙しかったり…。寂しさを感じます。ただ、たまにしか会えないからこそ昔話に花が咲くようになるのかもしれませんね。

 小さい頃に大人が言っていたことを、成長して「本当なんだ」と実感する。と同時に、自分より下の世代に対して、やはり同じように「そのケーキ、ひと口ちょうだい」「最近の歌手は分からない」と言っているのではないでしょうか。そして、それを言われた下の世代の人たちも、いつか「ああ、こういうことだったのか」と気づいていくのかもしれません。

(有井太郎+プレスラボ)
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有井太郎+プレスラボ

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