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2016.04.19
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ふだん使っている言葉でも、その語源となるとなかなか知らないもの。中でも、恋愛にまつわる言葉には、意外な理由や変わったエピソードが隠されていることもあります。だれかに教えたくなる恋にまつわる言葉の語源を集めてみました
少年に対して恋愛感情や執着を抱くことを指すこの言葉。対義語である「ロリコン(少女に対して恋愛感情や執着を抱くこと)」が、中年男性と少女ロリータの恋愛を描いたウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』に由来することは有名ですよね。
対するショタコンはというと、横山光輝の漫画『鉄人28号』(光文社)の主人公である金田正太郎が由縁という説があります。利発そうな顔立ちで正義感あふれる行動をする少年に、ショウタロウ・コンプレックスを抱いた人は少なくなかったのかもしれません。
年上の女性の愛人である若い男性を指すときに用いられる言葉。明治から大正時代に話題を呼んだ雑誌「青鞜」の発刊者の一人である平塚らいてうが5歳年下の青年奥村博史と恋に落ちたことがきっかけで生まれたのだとか。
この恋がらいてうを慕う人の中で騒ぎとなったとき、奥村博史が「静かな水鳥たちが仲良く遊んでいるところへ一羽のツバメが飛んできて平和を乱してしまった。若いツバメは池の平和のために飛び去っていく」と記したことが由縁のようです。自分や当事者たちを鳥に見立てるなんてちょっとキザな気もしますね。
知っているのに知らないフリをして、うぶな様子を気取る女性に対して用いられることの多い言葉。幕末の花柳界で、遊女が世間知らずのフリをして「かまぼこ(カマ)は魚(トト)からできているの?」と客らにわざとらしく聞いていたことが発端なのだとか。ちなみにトトとは幼児言葉で魚を指す言葉。子どもっぽく世間知らずな様子で異性の気を惹こうとする手は昔からあったんですね。
流行や芸能人の動向に影響を受けやすい人を指す言葉。昭和時代初期の同義の流行語である「みい(ミー)ちゃん はあ(ハー)ちゃん」が省略され、ミーハーと言われだしたという説が有力だそう。
「みいちゃんはあちゃん」は、当時の女性に「美代子」「花子」など、ミやハで始まる名前が多かったことから、若い女性の代表的な名前というところから名づけられたようです。最近は「スイーツ(笑)」という言葉をよく聞きますが、「スイーツ(笑)」もミーハーと同じく長年使い続けられる言葉になるのでしょうか。
異性に言い寄ることを「口説く」と言いますが、元々は擬態語の「くどくど」が語源。繰り返し何度も同じ話をすることから「口説く」となったそうですが、言葉ができた当初はしつこく祈願することに対して使われていたのだとか。そこから転じて「異性を口説く」などというように使われるようになりましたが、口説く行為とは今のように甘い言葉をささやくだけでなく、もっと熱心で情熱溢れる様子を指す言葉だったのかもしれません。
恋愛にまつわる言葉は、時代の流行語や言葉遊びなどから派生したよう。まさかこの言葉が数十年、数百年後まで使われることになるとは、当時の誰も想像もしてなかったでしょうね。現在の若者言葉やネットスラングが残っているとはなかなか想像しにくいですが、もしも後年まで残っていることがあれば、ドヤ顔で次の世代に語源を伝えたいと思います。
(山本莉会/プレスラボ)初出 2013/3/1
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