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2015.08.12
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2015.08.12
恋をすれば、誰だって相手のことをよく知りたいと思うのは当然のこと。ふと「いま何やってるのかなあ?」なんて思うと、ついつい用もないのにメールをしてみたり電話をしたり。そんな恋心が相手に好意的に受け止めてもらえればいいのですが、なかなか上手くいかないのが現実です。
しかも度が過ぎてしまうと、「ストーカー」呼ばわりされて嫌われるなんて可能性も。変な勘違いをされて、警察に捕まったなんてことになってしまっては洒落になりません。では、実際にどういう行動が「ストーカー行為」と呼ばれるのか、法律におけるボーダーラインについて、弁護士・佐藤大和さんに教えていただきました。
例えばストーカー映画の前振りにありそうな「見知らぬ人から毎週のように花束やブランド品が自宅に届く」というシチュエーション。いくら豪華なプレゼントでも、やはり送り主不明だと不安になってしまいます。しかし、これだけでは法律上の罪には問われないそうです。
「ストーカー行為に関しては『ストーカー行為等に関する法律(以下、ストーカー規制法)』というものがあります。その第二条第一項第六号に『汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと』と書かれています。つまり、送付されるものが不快や嫌悪感を抱かないものの場合には、ストーカー行為にはあたらないと判断されるのです」(佐藤さん)
プレゼントが届いて気味が悪いというだけでは、警察に相談してもすぐに捜査開始というわけにはいかないようです。ほかにどんな事例があるのかみていきましょう。
「連続した無言電話は明確なストーカー行為にあたります。またFAXに関しては、これ以上送らないよう連絡した(拒否の意思を示した)にも関わらず、続けて送ってくる場合はストーカー行為になります(ストーカー規制法第二条第一項第五号)」(同)
「実はメールに関しては、現時点でストーカー規制法に記載がなくストーカー行為にはなりません。ただし、近いうちに法改正される可能性も。また、文面によっては脅迫罪や恐喝罪など別の罪に問われることもあります」(同)
「名誉を害することを告げたり、公開したりするのはストーカー規制法の第二条第一項第七号にあたります。場合によっては、名誉毀損罪などにあたることもあります」(同)
「ストーカー規制法上ではストーカー行為にはあたりませんが、以前京都府でピンポンダッシュを繰り返した男性が府の『迷惑行為防止条例』にあたるとして、書類送検されたことがあります」(同)
法律上でのストーカー行為は、一般の感覚とは少しずれたところもあるようで自分で判断するのは難しいようです。実際にストーカー被害かもと思ったときには、どうしたらいいのでしょうか。
「とにかく『証拠を残す』ということが重要です。メールやFAXは極力保存。状況の写真を撮っておいたり、日付を入れたメモを残しておくのも有効です。そのほかに、第三者に協力してもらって、客観的な証言を得ておくのもいいでしょう。証拠が揃ったら警察に相談です。もちろん身の危険を感じたときは、すぐに相談してください。法律の知識や手続きなど難しい対応も多いため、事前に法律の専門家に相談しておくのもいいでしょう」(同)
いくら恋は盲目と言えど、今回挙げたようなことを実際に行う人はごく少数でしょう。しかし電話やメール、インターネット上での書き込みは、誰にとっても日常的な行為。感情にまかせてネットに書き込んだ内容が証拠となり、気づいたら加害者なんてことにならないよう気をつけましょう!
(齊藤かおり/サイドランチ)初出 2013/2/25
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