ヒトメボ

作家・医師

米山公啓

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 好きな人を思い浮かべて物思いにふけったり、メールを送るだけでドキドキしたり、小さなことで喜んだり落ち込んだり…いわゆる恋愛初期の状態。「恋が走り出した」ときって、なぜ感情の起伏が激しくなるのでしょうか? 医学博士の米山公啓先生にお聞きしました。

「いわゆる『恋が走り出す』恋愛初期は、脳内にPEA、オキシトシン、セロトニン、テストステロンなど様々なホルモンが分泌されます。そのホルモンの働きによって、感情が左右されるのです。

例えば、恋すると気分が高揚してドキドキわくわくするのは、PEA(フェニルエチルアミン)の仕業によるもの。性欲が高まったり、食欲が落ちたり、眠れなくなるなどの恋煩いはこのホルモンが影響しています。好きな人や恋人と一緒にいたくなるのはオキシトシンの仕業で、『愛情ホルモン』とも呼ばれています。ハグやボディタッチ、セックスをした際に分泌されるホルモンです。また、セロトニンが不足すると、感情の浮き沈みが激しくなったり気持ちが不安定になりやすいです。男性はテストステロンの分泌により男らしさが強調され、この分泌が促進されると男女ともに性欲が高まります」(米山先生)

 なるほど。脳内で分泌される様々なホルモンが、感情の振れ幅を大きくするというわけですね。ところで、以前ヒトメボコラムで紹介した「恋の賞味期限は3年」という記事で、PEAは3ヶ月で減り始め、3年で枯渇するため「3年目が破局のタイミングになりやすい」という傾向がわかりました。このように、恋愛初期に出るPEA以外のホルモンにも、いわゆる「賞味期限」はあるのでしょうか?

「特に周期的なものはありませんが、前述したホルモンはPEAと同じく3年くらいが限界で減ってきます」(同)

 ということは、恋が走り出した状態は、短くて3ヶ月、長くて3年継続すると言えそうですね。でも、感情の起伏が激しいときって、自分も相手も疲れてしまい、それが原因で上手くいかなくなることも…。ホルモンの賞味期限を延ばしたり、減るペースをゆるやかにしたりと、自分でコントロールすることはできないのでしょうか?

「セロトニンは、吸う息と吐く息を意識して行う『セロトニン呼吸法』や、アロマを焚く、ストレッチをするなどで量を増やせます。セロトニンは遺伝によって個人の量が異なるので、恋愛すると不安になりがちな人はもともとの量が少ないか、不足しているのかもしれません。これらの方法でリラックスを心がけて、ホルモンバランスを整えるよう心がけてみては」(同)

 ホルモンの分泌が激しく、感情が大きく触れ動く「恋が走り出した」状態。恋の暴走もいいですが、上手にコントロールしつつ恋する気持ちを楽しみたいものですね。

(伊藤恭子)
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ライター

伊藤恭子

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