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2012.08.08
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平成23年度に全国の警察本部が行った「警察安全相談」に寄せられたDV(ドメスティック・バイオレンス)被害に関する相談は、3万3745件。統計を取り始めた平成15年度以降で最も多い件数だそう。DVとは殴る蹴るといった暴力の他にも、性行為の強要や傷つける言葉を発することも含まれます。今や、自分の身には絶対に起こらないとも言いきれないDV問題。男性の中にもDV被害者は存在しますが、相談者の多くは女性が圧倒的なよう。もしDVを起こしやすい男性の特徴や心理がわかれば、被害を未然に防げるかもしれません。自分の身に降り掛かる前に、DV男を見分ける方法はないのでしょうか?
「決して一概には言えませんが、少なからずDVをする男性には共通した特徴があります。それらの行動や思考をまとめると以下の通りです。
1.下の者に対して男気を示す
2.上の者に対して不満が多い
3.拘束したがる
4.激昂する
5.『自信がある』など自分を認めたい発言が多い
6.批判されると気分を害する
7.『こうあるべき』『こうすべき』という固定観念が多い
8.不平不満が多いが、我慢している
9.外面がよく、周囲からは『いい人』と慕われている
DVを起こしやすい男性は、大きなコンプレックスを抱えているのも共通点。そのコンプレックスの要因は、仕事のストレス、人間関係のトラブル、幼少期のトラウマなど人によって様々ですが、根本にあるのは『人や社会に自分が認められていない(自分自身を一角の立派な人間だと認めていない)』という気持ちです。そのため上記の1.5.6.のような、自分の権力や実力を示すような行為を取ったり、必要以上に自分の自信を示したりするのです」(心理カウンセラー・大谷常緑さん)
なるほど、自分に対するコンプレックスがDVの主な要因で、それらを打ち消したり、隠そうとする分、上記のような行動を取るのですね。言われてみれば、納得がいきます。それでは、逆にDVの被害に遭いやすい女性の特徴もあるのでしょうか?
「DV被害に遭いやすいタイプの女性は以下の通りです。
1.正義感が強い女性
2.罪悪感が強い女性
3.情にほだされやすい女性
1つ目の正義感の強い女性は自分の正論を男性に押し付けがち。DVをしてしまう男性は大きなコンプレックスを抱えていますから、その部分を刺激してしまうため、被害に遭いやすいと言えます。反対に、『DVされるのは、私が間違っているからだ。私のせいでこうなっている』など、自分に対して罪悪感が強い女性も、男性の支配欲を刺激するため、被害に遭いやすいでしょう。そういったタイプの女性は深層心理的に『私は罰せられるべき存在だ』という意識が働いていることが多いのです。また、多くの女性はDVの兆候が見えたら、すぐにでも別れるのですが、被害に遭い続けている女性には、情にほだされやすい人が多いのが特徴です」(同)
正義感と罪悪感というまったく反対の要素のようですが、両者ともDV男を刺激してしまうんですね…。具体的に「情にほだされる」とはどのようなことを指すのでしょうか?
「DV男性は常に暴力的な態度をとる訳ではなく、自分の犯した行為に反省の色を見せる時期があります。そのときに彼女や妻に対して、『俺はお前がいなきゃダメなんだ』とか、『お前の飯が一番旨い』といったことを口にします。こういった男性の反省している姿や自分を必要としてくれている様子に、やり直せるんじゃないかと、錯覚してしまうんですよ。しかし、DV男性は、また外的ストレスが溜まると、女性に手を上げてしまうものなのです」(同)
なるほど。反省の色を見せる時期があっても、よっぽど本人に変化の意志がない限り、またDVを繰り返してしまうのですね…。そのほか、DVについて男性・女性ともに理解しておくべきことはありますか?
「男女共にDVはコンプレックスを原因としていることを、きちんと理解しておくことが必要不可欠です。男性の皆さんは、もし女性に対して暴力で制圧してしまいそうになったら、自身が抱えている問題の原因を見つめ直す必要があります。手を挙げる前に、その場を立ち去りましょう。
また、女性も男性の抱えているコンプレックスに気付き、不用意に正論を振りかざすのは避けましょう。万が一、自分の恋人が上記のような特徴を持ち、ストレスなどを抱えると、すぐに手を上げてしまうような男性の場合、DV兆候がありますからキッパリとお別れすることです。それが難しいときは、問題が大きくなる前に専門のカウンセラーに相談するなり、専門の電話窓口に相談することをおすすめします」(同)
大きな社会問題の1つのDV。被害を未然に防ぐには、DVの原因や背景にあるものに対して、男女問わず理解をしておく必要がありそうですね。
(冨手公嘉/verb)
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