ヒトメボ

コラムニスト

石原壮一郎

  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク
  • コメント入力フォームに移動する
  • 評価フォームに移動する
読了時間:約6分

 恋愛に悩む友人から相談を受けたとき、上手なアドバイスが浮かばなくて困った経験はありませんか? 特に女性同士では「本音ではこう言いたいんだけど、本人が傷つくし…」と、歯痒い思いにかられることも少なくないかもしれません。こんなとき、状況に合わせて臨機応変な返答ができてこそ真の大人というもの!

 そこで、「大人力検定」などでおなじみのコラムニスト・石原壮一郎さんに、恋愛相談でピンチに陥ったときのナイスな回答術を教えてもらいました。女性が遭遇しがちなこんな場面、さぁどう対処する…!?

【ケース1】

一方的な片想いを丸10年も続けている友人。先日、ついに「もう諦めた方がいいと思う? 」と問いかけられた! 不毛な恋を見守り続けるのも嫌だけど、10年の歳月を否定するわけにもいかないし…。どう答えるのがベスト?

NG例:「いつか必ず気持ちは伝わるから、想い続けていればいいんじゃないかな」

「相談者は『あなたは間違ってないよ』と言ってもらいたいだけ。そういう意味で上記の回答は相手の希望に沿っていますが、その場しのぎな感じがする上、心にもないことを言うと自分がモヤっとします。かといって諦めたほうがいい理由を述べても、相手の気持ちを逆撫でするだけ。ここは冷静に、

『じゃあ◯◯ちゃん(相談者)はどうしたいと思ってるの? 』

と質問返しするのがベスト。あとは本人があれこれ語り出すので、こちらが深く考える必要はありません。仮に『私が聞いてるのに』と言われても、『こういうことって周りがどうこう言うことじゃないし、正解は自分にしかわからないんだから』と、もっともらしいことを言えば大丈夫。困っている人を慰めたい気持ちも分かりますが、不毛な相談に答えるのも不毛ですので…。こちらの意見を言わないのも、大人な対応の一つです」(石原さん・以下同)

【ケース2】

友人Mが好きになった人には、2年交際中の彼女が。でも、たまに二人きりで遊んでくれるし、酔った勢いでキスされたりするそう。正直遊ばれているとしか思えないけれど、Mは「彼女から奪いたい」と本気。「何かいい作戦ない? 」って言われても…。

NG例:「それって遊ばれてるんじゃない? 今すぐやめたほうがいいよ」

「付き合ったとしても、そんな男はまたすぐに浮気するんじゃない? 」

「本音ではこう言いたいと思いますが、『そんなことない』と反論され面倒なことになるので、心にしまっておくべき。だからといって友人Mの気持ちを鎮めて平和にするのがいいかというと、本人は盛り上がっているのでそういうわけにもいかず…。こんなときは、思いっきり他人事のように

『一緒に飲みに行って、酔ったフリしちゃいなよ』

『もっとガンガンいくべきだよ! いっそ部屋に行って押し倒しちゃえば!? 』

と、煽り立てるのがいいと思います。こういうことは誰もが一度はやってみたいと思っていたりするもの。恋愛相談はある意味ファンタジーと一緒で、架空のシチュエーションに対し、ああでもないこうでもない、と夢をふくらますことが目的なんですよね。『いつかみんなで温泉行きたいね』というノリと同じで、本当に行くかどうかは別として、その話をしている時間を楽しめればいいんです。『裸エプロンで料理作ってアピールすれば? 』など、思いつく限りの荒ワザでそそのかしてあげてください」

【ケース3】

A子とB子と私は、学生時代から大の仲良し。しかしある日、B子から「絶対に言わないでほしいんだけど、私、A子の彼氏のことを好きになっちゃったみたい…」と告白が! どっちの友達も大事だし、関係を崩したくはない…。一体なんて答えれば!?

NG:「ダメ元でぶつかってみなよ! それか、バレないように二股かけてもらえば? 」

「まずはA子に正直に言わなきゃダメだよ…」

「この場合、ケース2とは訳が違うので、同じように煽るのは御法度。B子にどこまでの覚悟があるのかは分かりませんが、おそらく自分の気持ちを黙っていられなくて相談してきたのでしょう。それを打ち明けた時点でB子の目的はほぼ達成されていますから、ここは具体的なアドバイスをするより、先延ばし作戦が有効です。

『一時の気の迷いかもしれないから、しばらく様子を見てみたら? 』

『自分の気持ちがどうなるかは、もう少し時間をかけないとわからないと思うよ』

と、B子に早まったことをさせないよう手を打ちましょう。そうこうしている間にB子の気持ちが落ち着き、結局なにも起こらずに済む…という解決方法もあります。万が一B子に『私の味方してくれるよね? 』と理不尽な契約を持ち込まれたら、キッパリ断るべき。『話を聞くことはできるけれど、背中を押すことも止めることもできない』と、中立の立場を明確にしておきましょう」

【ケース4】

結婚適齢期の友人Y子だが、Y子の彼は35歳にしてミュージシャンになる夢を諦めきれず、バイトで食いつなぐ日々を送っている。Y子の「好きな人が夢を追う姿を応援するのが、女の幸せだよね?」という言葉に、なんと返したらいいものか…。

NG例:「そうかもしれないけれど、そうとも言い切れないよね…」

「夢を追う人って素敵だし、カレを信じてついていくY子を尊敬するわ」

「こういう人は非常にM気質。周りの反対を押し切り、カレのことを好きでいる自分が好きなので、あえてこちらはSになりましょう。上記のような中途半端な反応では、彼女は満足しません。また、表面だけの意地悪な女の友情っぽい回答もNG。ここはズバリ、

『何言ってるの? そんなわけないじゃん』

『Y子にとっては幸せかもしれないけれど、女の幸せとしてはどうかな』

と、真正面から一蹴してあげることです。そう言われると、本人は『私のことを思って言ってくれているんだ』と勝手にいい方向に解釈してくれるので、結果オーライ。『早く諦めたほうがいいよ』と促しても本人の耳には入らないので、こちらが無駄なストレスを溜めないよう、バッサリ斬り捨ててあげるのがいいと思います」

 いやー、どのケースも筆者の頭じゃ到底思いつかない発想でした…! みなさんもいつ遭遇するか分からない恋愛相談のピンチ。もしそんな状況に出くわしたときは、ぜひ今回の回答術を思い出してみて下さい!

(池田香織/verb)
  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク

評価

ハートをクリックして評価してね

評価する

コメント

性別

0/400

comments

すべて見る >

ライター

池田香織

verb

あわせて読みたい