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2019.06.08
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自然の多い地域で育った人は、子どもの頃に「グミの実」を食べたことがあるでしょう。庭先や赤い色をした甘酸っぱい味の実で、野山に自生していたり、民家の庭に植えられたりしていました。さて、この「グミ」ですが、そもそもなんだったのでしょうか? グミの実について調べてみました。
グミの実について、『渋谷区ふれあい植物センター』の園長・宮内元子さんに聞いてみました。
――子どもの頃に「グミの実を食べた」という人が多くいますが、そもそもこのグミの木とはなんなのでしょうか? 日本にしか生えていないものですか?
宮内園長 グミの木は、ユーラシアから東南アジアにかけて広く分布している樹木です。全世界では約100種あり、日本には15種ほどが分布し固有種もあります。日本では庭木として用いられることもありますが、住宅地で自生することはほとんどありません。
――都心部ではあまり見掛けませんね。
宮内園長 公園などに人の手で植えられているケースもありますが、基本的には自然の多いところでないと見ない植物です。
――グミの「実」は食べても大丈夫なのでしょうか?
宮内園長 基本的には食べても大丈夫です。ただ、グミの実には「タンニン」という渋み成分が含まれているので、多く食べ過ぎると口の中に渋柿を食べたときのような「いがらっぽさ」を感じることもあります。
――食べられるけど、そこまでおいしいものではないのですね。
宮内園長 食べやすいように品種改良されたグミの木もありますが、自然のものだとそこまで甘くておいしいというものではないですね。イチゴなどのように、デザート感覚で何個も食べられるようなものではありません。
――実が他の果実のように流通していないのも、それが理由なのでしょうか?
宮内園長 そうですね。一般的に流通している他の果実と比べて生食に向かないので、商品価値が低いのだと思います。
――「グミの木」という名前を聞くと食用として重宝されているのではと思ってしまいますが、実際は違うのですね。
宮内園長 「梅酒」のようにグミの実をお酒に漬けることはありますが、加工食品もほとんど見掛けませんね。観賞用として植えられるのがほとんどではないでしょうか。
――グミの木を育てるのは難しいのですか?
宮内園長 いえ、そんなに手間が掛かるものではないですよ。やせた土地でも生育するほど強い樹木なので、ある程度日当たりさえよければ成長します。
――育てるのは簡単だけど実が流通しないということは、やはり「そんなにおいしくない」のでしょうね。
――子どもの頃、「グミの木」にはお菓子のグミのようなものがなっているのではと思っていましたが、そもそもお菓子のグミと関係があるのでしょうか?
宮内園長 全く関係ありません。グミの木の「グミ」は大和言葉という日本の古い言葉が由来で、お菓子のグミはドイツ語の「gummi」(ゴムの意)が由来ですから、別のものです。
――そうだったんですね!?
宮内園長 そもそもグミの木の学名も「Elaeagnus」ですし、海外では「シルバーベリー」という名前ですからね。
――初めて知ったという人が多いかもしれませんね……。ありがとうございました。
筆者など子どもの頃に「甘酸っぱくておいしい!」とグミの実を食べていましたが、渋み成分が含まれているなど、実際はそこまでおいしいものではなかったようです。大人になった今食べてみると、子どもの頃と違った感想を抱くかもしれませんよ。宮内園長の話にあったように、育てるのは難しくないそうですから、この機会に一鉢育ててみるのもいいかも……。
取材協力:渋谷区ふれあい植物センター
https://www.botanical-fureai.com/
(中田ボンベ@dcp)
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