ヒトメボ

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最近はほとんど見なくなりましたが、昔は一家に1台ダイヤル式の黒電話があるのが普通でした。もちろん当時はケータイなどありませんから、家族で共用の黒電話は唯一と言っていいほどの重要な連絡手段だった、という人も少なくないでしょう。今回は黒電話の思い出について、ヒトメボ読者に聞いてみました。

間違い電話が頻発する

「慌てていると、間違えて隣の数字を回してしまうことがよくあった。すぐに気が付いたときはかけ直したが、相手が出るまで番号の間違えに気が付かないことも」(福島県・44歳男性)

「8と9など、隣の数字を間違えて回し、間違い電話をかけてしまうことがあった」(香川県・42歳女性)

回すつもりだった数字の隣にある数字を回してしまうことがありましたね。昔の黒電話にはディスプレイがなかったので、自分が回した番号を確認することができず、回し間違えたことに気付きにくかったのです。

電話口から相手の家族の会話が聞こえる

「友達の家に電話すると、テレビの音とか家族の話し声がよく聞こえていた」(富山県・43歳男性)

「友達と電話していたら、電話の向こうで親がけんかをしていた。友達との会話よりも、そっちの方が気になって仕方がなかった」(静岡県・45歳男性)

黒電話は本体と受話器がコードで繋がっていたので、客間やリビングに電話機の置き場が近い家だと、夕食時などは家族の話し声が聞こえてくることも。逆に、自分たちが話している内容も相手の家族に聞かれてしまうので、秘密の話はしにくかったですね。ケータイで話をする現在は、家族がいない場所に移動できるので、このようなことは少なくなりました。

手縫いの電話カバーがかぶせられている

「家の電話には、祖母が縫った電話カバーがかぶせてあった。赤い布だったので、お地蔵さんの前掛けのようだった」(佐賀県・40歳男性)

「私の家だけでなく、友人の家も黒電話にはなぜか電話カバーをかぶせていた。カバーを取り付けていた家が多かったと思う」(埼玉県・41歳女性)

黒電話にカバーをかぶせている家は多かったですね。カバーには家庭ごとに個性があり、お手製の電話カバーを使っている家もありました。無骨な黒電話とファンシーな電話カバーのミスマッチ感は、なんともいえない雰囲気を醸し出していましたね。

プッシュ式電話派に取り残される

「私の実家は私が成人するくらいまでダイヤル式の黒電話を使っていた。当時周りはもうほとんどプッシュ式に買い換えていたので、友人が家に来ると、『まだダイヤル式なの?』とからかわれていた」(神奈川県・43歳女性)

「いち早くプッシュ式にした家の友達に、プッシュ式がいかに使いやすいかを延々自慢された」(東京都・46歳男性)

日本でプッシュ式の電話機が普及し始めたのは1985年以後に電話機が自由化されてから、といわれています。目新しいプッシュ式の電話機を周りよりも先に買った人の中には、黒電話のことを「時代遅れ」と言ってきたり、プッシュ式の便利なところを自慢してきたりした人もいたかもしれません。

ダイヤルに時間がかかる

「黒電話は、ダイヤルが戻るまで次の数字を回すことができないので、プッシュ式よりも電話をかけるのに時間がかかる。イライラすることもあった」(東京都・47歳男性)

「特に大きい数字や0が多い電話番号だと、ダイヤルが戻るのを待つ時間が長くなるからイライラした」(宮崎県・44歳男性)

ダイヤル式の電話では、0を除けば数字が大きいほど、回すときにダイヤルが元の位置に戻るまでの時間が長くなります。よくかける友人の電話番号に0や9が多く含まれていたりすると、せっかちな人は電話をかけるたびにイライラしてしまったものです。

黒電話を使っていた頃に比べると、プッシュ式電話機や携帯電話の普及によって、今は通信がとても便利になりました。とはいえ黒電話も、「電話回線が無事ならば停電時でも使用できる」というメリットが見直され、今でも現役で使われているところもあるそうです。もはや古いと思っていたものにも、実はまだ良さが隠されているのかもしれませんね。

(藤野晶@dcp)
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ライター

藤野晶@dcp

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