ヒトメボ

スピーチトレーナー

高津和彦

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 程度の差はあるにせよ、「口ぐせ」がある人は多いと思います。また、気づかないうちに、その口ぐせで損をするということもしばしばあるようです。口ぐせってどのように直したら良いのでしょうか? 話し方を指導するスピーチトレーナーの高津和彦さんに、口ぐせを直すコツを聞きました。

口ぐせがもたらすデメリット

 口ぐせを直すためには、「まず口ぐせの悪影響を知ることが大切」と高津さん。

「本人の思っている以上にデメリットをもたらすのが口ぐせ。使い方やタイミングに問題ないワードでも、それを繰り返すと相手の耳に付いてしまいます。すると聞き手はそちらにばかり注意が行き、話の内容が入ってきません。これは仕事でも普段の会話でも、自分の足を引っ張ります」(同)

 確かに、何度も同じフレーズを繰り返す人と話すと、途中からその言葉ばかり気になってしまいがち。説得力が落ちる一因になるかもしれません。

 しかし、「自分の口ぐせに気付かない人がほとんど」だと高津さん。もし他人に指摘されたら、その場限りの話で終わらせないことが重要のようです。

「口ぐせは、聞いている側が気になってもなかなか言わないもの。なのに口ぐせを指摘されるということは、相手の印象に相当強く残っているといえます。つまり、仕事などで重要な話し合いをしていても、自分の口ぐせで損をしている可能性があるんですね。ですので、もし指摘されたら、少し真剣に考えてみると良いかもしれません」(同)

 自分の口ぐせが、気付かぬうちに悪影響を与えていたらイヤなもの。ではどうやって口ぐせを直すのが良いのでしょうか?

口ぐせを直すために準備すること

「まず、口ぐせがあることを意識するようにしましょう。その上で、自分の口ぐせに対して、言い換えやすい言葉を3~4つ用意しておくこと。たとえば『そうなんですね』が口ぐせの方は、『そういうことなんですね』『そうなんですか』『そうですね』などがいいでしょう。口ぐせはふっと気を抜くと出てくるので、『そうなんですね』と言いそうになったときに、咄嗟に言い換えてみるんです。

事前に言い換える言葉を用意しておけば、それは難しくありません。でも、もし言ってしまっても決して言い直さないこと。その言葉自体が悪いのではなく繰り返し出てくることが悪いのです」(同)

 用意した3~4つの言葉を振り分けて使っていくと、たとえフレーズ自体はわずかな変化でも、相手の耳には残らなくなるとのこと。できれば例で挙げたように、最初の発音が同じ言葉(途中で言い変えやすいため)であればベストですが、それに限る必要はないよう。『要するに』という口ぐせの言い換えとして、『つまり』などでも問題ないとのことです。

「口ぐせを急に言わなくするのは無理な話。話し全体のリズムも乱れてしまいます。ですので、言い換えることから始めましょう」と高津さんは言います。

 あまり深刻になり過ぎるのもよくありませんが、もし指摘されたら「良い機会」と捉えて、口ぐせの解消を試みるのも悪くないかもしれませんね。

(有井太郎+プレスラボ)
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有井太郎+プレスラボ

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